「その殺気、心地よいものだな」
「くっ……」視線で人を殺せるのなら、セレナイトはすでに目の前の北辰を何度殺しているだろうか。
「いやぁ、こうして間近で見ると確かに凄まじい美貌だねぇ」
呪詛に満ちた視線を柳の枝のような態度でかわし、セレナイトに接近するヤマサキ。
「うるさい! これ以上近づくな!」
人生最大の怨敵とも言える相手になんの気兼ねもなく接近される屈辱に震える。
「あらら、そんなこと言っていいのかなぁ。君の大事なお弟子さんが大変な事になっちゃうよ」
癪に障る笑みを浮かべ、ヤマサキはある場所に視線を向ける。
そこには拘束され満身創痍なアキトの姿が。どうやら気絶しているらしい。「く、きさまぁ」
これ以上ない怒りが体中を埋め尽くす。
しかし、肉体的にも精神的にも拘束されているセレナイトにはどうすることも出来なかった。
全く持って油断していたとしか言えない。
まだこの段階で彼らが仕掛けてくるなど想像もしていなかった。
日常とも言える木星蜥蜴(すでに木連であることは知られている)との戦闘を終え帰還したエステバリス隊。
全てを終えたはずだった。
それが突然の艦内警報と敵の奇襲。
目的は地球側最強のエース、月光の戦乙女と呼ばれ恐れられているセレナイトの拉致であった。「しかしまさか烈風と陣風を……、わが北辰七人衆と死合える者とは思わなかったぞ。さすがは地球側のエースと言った所か」
北辰がそういうように突然の奇襲にも関わらず、セレナイトは善戦した。
「その身、貰い受ける!」
「な、お前達はっ! ……たぁっ!」
「んぐぅぁ!」襲い掛かる敵をカウンターの掌底で瞬殺。顎と首の骨を砕かれ烈風は即死した。
そのまま流れるように反転。「きさまぁ!」
「甘い!」接近していた陣風の首を回し蹴りで刈り取り、そのまま地面に叩きつけて頭蓋骨を粉砕。
声も出させぬまま絶命させた。それら一連の動きはまさに演舞そのものだった。そして圧倒的な強さであった。
しかし彼らの目的はあくまでセレナイトの拉致である。彼女と正々堂々戦うことが任務ではない。
アキトを人質に取られた瞬間、セレナイトの反撃は止んだ。以降はなにも抵抗できぬまま、悔しげに見守るナデシコクルーに見送られながら、どことも分らない場所に連れてこられた。
「だが惜しいことよ。貴様とは何の縛りもなく、全力の死合いをしたかった」
「だったらこれを外せ北辰。そうすればすぐにでも貴様の身体をバラバラにして内臓を引き裂いてやる!」
黒の王子の迫力で北辰を睨み上げる。しかし北辰はその挑発には乗らなかった。「……臆病者がっ」
吐き捨てるように言った。
それでも彼は動かない。ただセレナイトを見つめるばかり。
悔しそうに彼女は歯噛みした。
屈辱の極みだ。
自分は何のためにナデシコに乗った? 何のために罪に抗ってまでこうして生きながらえてきた?
全てはみなの幸せを奪うこいつらを葬るためではなかったのか。全てはこの二人を抹殺するためだったのではないか。
それが少しの油断で水泡に帰した。
「貴方にはこれから色んな事を喋ってもらいますし、色んな実験に参加してもらうつもりです。ボソンジャンプの秘密なんかも知ってるんでしょ?」
「知らない。知っていたとしても貴様らに話すことなんてあり得ない」
「そうですともそうですとも。ですからこうしてもう一人、人質を連れてきてくれと頼んだんですから」
「くっ!」そうなのだ。いくらセレナイト自身が拷問に耐え、薬物に耐えたとしてもアキトの命を天秤にかけられれば揺れてしまう。
自分だけであればもしかしたら生き抜くことも、逃げ出すことも出来たかもしれない。自決もあり得た。
しかしアキトがいれば足枷になるし、死ぬことも出来ない。「でも今は安心してください。ちゃんと形式通り、貴方への取調べ、拷問オンリーで始めます。
いきなり喋られては紳士的な対応をしなければいけないじゃないですか。そんなことでは困るんですよ。
私も、私の部下も、そして木連のお偉いさんも、貴方の美貌にときめいてしまっているので精一杯反抗してください」要するにそういうことらしい。尋問などは後回し、ただただ性的な拷問を行うつもりなのだ。
「貴方が気持ちの良い想いをしている間は、お弟子さんの命は保証しますよ♪」
「ぅぁ……、や、やめろぉ……、あ、ぅぅ」
「どうしたんですか? 耳に息を吹きかけただけじゃないですか」セレナイトの背後に回りこんだヤマサキ。
彼女と同じ位置までしゃがみ込んで、その耳をソフトタッチで撫でる。「ぁ……、お、おまえ、なんかに……ひ!」
耳を羽毛で触れるように撫でられ、わき腹も同様に撫でられる。
「そうですよね。私なんかにこんなことされるなんて屈辱ですよね。あっはっは」
そしてその相手が怨敵なのだから屈辱も数倍である。
「とっても良い匂いがしますよぉ? ほら、胸だってこんなに気持ちいい」
セレナイトの首筋に唇を押し付けながら、胸を揉む。
「く……ぁ……、くそぉ」
歯を食いしばり、力の限り目を瞑って屈辱の愛撫に耐える。
「ちょうどいい大きさですねぇ。大きすぎもなく、かといって小さすぎもなく、手のひらに少し余るこのサイズ、
そしてこのみずみずしい弾力、とても素晴らしい揉み心地です」絶対に触られたくない相手に胸を好き勝手に品評され、形を自在に変えられていく。
「やはり生のほうがいいですね」
そう言ってあっさりとセレナイトのパイロットスーツをはだけさせた。
そしておもむろに揉みしだく。
「くっ」誰もが羨むその行為。
誰もが揉みたいと思っていたセレナイトの生の双丘をヤマサキは自在に楽しんでいた。「も、もう……ぅく……、や、やめ」
「まだ始まったばかりじゃないですか。この可愛らしい突起だってこれからだよって言ってますよ?」
「はぅぅ!」ヤマサキはその言葉と同時に胸の突起を親指と人差し指でつまみ、軽く引っ張った。
それだけでセレナイトは腰を浮かし、背を仰け反らせる。「おやおや、敏感なんですねぇ」
「はぁ……、あ……ぅ……ぁ……あ、や……、あ、あ、んん」その後も小刻みに突起周辺、桜色に色づく部分をクリクリと指で弄られ遊ばれる。
その度に苦痛の、苦悶の声が漏れ出る。憎しみでその声を封じようにもどうしても漏れてしまうのだ。「本来なら私なんて近寄ることも出来ないんでしょうねぇ。ですがこうして貴方を好きに陵辱できる。
これだけで生まれてきた甲斐があると思いますよ。……そうです、私はきっと貴方にこうするために生まれてきたんですよ」「あ、あ……、ひぃ……ん! ……く、く……そ……ぁ! ……くそ、ぉ」
悔しい! 悔しい! 悔しい! 悔しい! 悔しい!
「どうしたんですか? 涙が出るほど気持ちいいのですか?」甘く漏れ出る声と一緒に目じりから滲み、頬を伝っていく涙。
「とても綺麗な表情ですよ、セレナイトさん」
ヤマサキはそういって悔しくて流れるセレナイトの涙を赤々とした舌で舐め掬う。
月光の戦乙女の流した、宝石のように煌く涙がヤマサキに奪われてしまう。「無様だな、月光の戦乙女。科学者の手に堕ちて、その身を汚されるとは」
「ぅく……、ん、ぁぅ……ぁ、ぁん……あ」悔しそうに見上げて何かを言おうとするが、代わりに出てくるのは嬌声。
しかもその声も段々と頻度を上げてくる。
「あらら、もしかして……イキそうですか?」
「な! ち、ちがう!……ぁっ、ぁぁぁ!」「私たちの事をたいそう憎んでいるはずでしたのに身体は正直ですね」
「く、くそ……、こ、こん……な、ぃ、や、あ……ぁ、あ」愛玩設定ゆえにどんなに心を凍らせていても身体が熔けていく。快感に蕩けていく。
その事実がセレナイトの屈辱感を高ぶらせる。そして同時に性感も昂ぶらせる。「ぁ、ぁ……やめ……、も、もぅ! ……や、やめ……、はぁん! ……ぁ」
「これでどうですか?」
「ひ! そ、それは! ぁ、ぅぅ、んっ、……んっ! ……んんっ!」緩急をつけた愛撫、徐々に激しさが増し、それに比例するように、セレナイトの嬌声も激しくなる。そして
「ぅく! ぅぅぅぅんんんんん!」
高ぶっていた性感が胸の先端を鋭く摘ままれたことにより爆ぜた。
ヤマサキの胸に背中を預けるように、蕩けるような声と共に、セレナイトは最初の絶頂へと強制的に墜とされた。「ん……ぁ……あ……、あ……」
虚ろに虚空を見つめ、絶頂の余韻に浸る。
「どうです? 最高でしたか?」
「ぅ……ぁ、最悪……だ。……まだ犬としたほうが……マシだ」
「そうですか、ではいずれ機会を設けますね」
「くっ!」この男なら平気な顔をしてやりかねない。
「さて今度は我々も気持ちよくして貰いましょう」
「誰が……」
「そんな態度で良いのですか?」ヤマサキは余裕の口調でそう言った。そして北辰を見る。
北辰はその視線を受け部下に目配せする。すると部下は気絶しているアキトの顔を蹴り上げた。「や! やめろぉ!」
今まで慌てることのなかったセレナイトが怯えや恐れを含んだ声を上げる。
「ふふふふ、これは思いのほか効きそうですね」
「くぅ、っぅぅ……ぅ……ぁ、こ、ここは」
「ようやくお目覚めですか? お師匠さまが大変な目にあっているというのに、よくもまぁのん気に寝られたものです」ぼやける視界が晴れるまで呆然とするアキト。
「なっ!」
そして視界がハッキリし、目の前の状況を見て驚き固まる。
そこには半裸にされ後ろから胸をもまれている想い人の姿があったのだ。
「や、やめろぉぉぉぉ!」瞬間的に怒りが沸騰し、怒声を上げる。
「その手をセレナイトさんからどけろぉぉぉ! おごぉ!」
絶叫途中で北辰の部下が腹を蹴り上げた。
「アキトぉ!」
「うるさいですよ本当に」
「がはっ、おぇ……ぅぅ、や、やめろぉ……セレナイトさんから……、手を……おごぉぉ!」
再び腹にかなり強めな蹴りを喰らう。「や、やめてくれ! 頼む! アキトには手を出さないでくれ!」
必死で懇願する。
その反応が面白いからこそヤマサキは黙認し、部下は暴力を振るい続ける。(くそぉ、オレが不甲斐ないばっかりに、セレナイトさんがあんなことに……、くそぉ! くそぉ!)
血液交じりの唾液を吐き出しながら、自らの力のなさに憤慨するアキト。「げほっ、げほっ! せ、セレナイトさんを……げほっ!」
「アキト、アキトぉ……、もう良いから! 私のことは気にしなくていいから!」
これ以上蹴られては本当に死んでしまう。
ユリカのためにもアキトには必ず生きて帰ってもらわなければならない。
たとえ自分がどのような目にあってもそれは絶対だ。
涙すら溢れそうになる必死な声でアキトを止める。「お、オレは大丈夫です。……ぐおぉ! おぇぇぇぇ!!!」
一際強く蹴られ、ついには胃液を吐き出す。
「アキト、アキト、もう止めてくれ。……頼むからぁ」
それでも耳を貸さないアキトは蹴られ続ける。
「ヤマサキ、頼む。……もうやめさせてくれ」
その言葉にヤマサキは答えない。
アキトの苦痛にうめく声、嘔吐の声だけが響く。「頼むヤマサキ。これ以上したら、アキトが死んでしまう。
私になにをしても構わないから。だからアキトには手を出さないでくれ」「せ、セレナイトさん! がはぁ!」
「では私の言うことは全て聞きますか?」
「そ、そんな! セレナイトさ、ぐぅ! ……ごほぉ!」
「アキトぉ、大丈夫だから、 私は大丈夫だから。今は生き残る事だけを考えてくれ。今はそれだけを……、それが最善だ」
「ごほ! ごほ! おぇぇ……セレナイト……さん」きっと屈辱感で一杯なのだろう。でも自分の為にあえて冷静に振舞っている。
それに比べて自分はなんて情けないんだろう。
アキトの胸は悔しさで張り裂けそうになる。だがセレナイトの想いを組んで、抵抗を止めた。「ありがとう、アキト。私はお前が生きていてくれれば、どんなことにでも耐えられるから」
まるで恋人に言うような台詞だった。
「ヤマサキ、お前の言うことは全て聞く。だからアキトにこれ以上手を出さないでくれ。
何でもお前の言うとおりにするから、代わりにアキトをナデシコに帰してやってくれ。それさえ叶えてくれれば私はどうなってもいい」「せ、セレナがはぁ!」
そこまでは耐えられない。そう声を張り上げようとしたが……。
「あ、アキトぉ……、本当にもうやめてくれ」
自分が酷い目に合わされるよりよほど辛い。
彼はユリカの大切な想い人。守らなければならない存在なのだ。「頼む、ヤマサキ」
「ふふふ、わかりました。ただし、彼を帰すのは貴方が本当に私たちに意志を委ねたのを確認してからです」
「ああ、わかっている」それが本当に守られる可能性は限りなくゼロに近い。恐らく最大限にまで利用された挙句、二人とも実験道具になるのだろう。
彼らの鬼畜の如き外道さは自分が一番良く分かっている。
だが今は時間を稼ぐ以外に方法はない。
たとえ自分たちに脱出の術はなくともナデシコのみんなが助けにきてくれるだろう。
(ルリちゃんもラピスもいるんだ。アカツキも手を打ってくれるはず。イツキちゃんはたぶん、羅刹になる。そうなれば北辰など瞬殺してしまうに違いない)
だから今は時間を稼ぐ。自分は兎も角アキトだけは絶対に生かすために。「く、くそ……くそ……くそぉぉ!!!」
何も出来ない自分が本当に口惜しい
アキトは鉄と胃液の味がする口内から溢れ出る雄叫びに身を任せた。
「では早速ですが、北辰さんのアレを勃たせて口で処理してください」
「なっ」
「貴方はどうやら私と北辰さんを目の敵にしているようなのでね。その方が面白いかと……。反抗する気なのですか?」
「……わかった」うな垂れるように、セレナイトはその命令に応じた。
「ふむ、では楽しませてもらおうか」
ニヤリと嗤ってセレナイトを見据えると、静かに前に出る北辰。
「なにか反抗的な態度をとったらお弟子さんにはすぐに死んでもらいますので」
「わかっている」達観したようにそういうと上半身裸のまま、北辰の前に跪く。
(これも、オレの油断が招いたこと)
まさか怨敵であり、壮絶な苦痛を味合わせて殺してやるはずだった北辰のまえで跪くことになるなんて。
しかも男の時ではありえなかった。今でも絶対にあり得ない、虫唾が走るような行為をあの北辰にしなければならない。
完全な敗北である。
こんなに悔しいことなど、ユリカを守れなかったあの時以来だ。
「おや、どうしたのですか? 泣いているのですか?」
「な、泣いてなど……、いない」
壮絶な屈辱感、敗北感、悔しさを内に秘めている。
この手足が自由になれば周囲の壁など数分で一切塵芥に帰すぐらいの怒りを秘めている。
それでもアキトに心配させないように平静を装う。
だがやはりどこかで綻びは出てしまう。セレナイトは自然と涙を流していた。
「せ、セレナイトさん……くっ!」
「大丈夫だ、アキト。……なにも気に病む必要はないから」そう言ってセレナイトは、アキトを気にかけている時のようないつもの優しい微笑を浮かべる。
涙の跡が光るその笑顔はとても美しく、またヤマサキや北辰の嗜虐心を煽るのに十分だった。「ぁ、んぅ!」
背後からヤマサキに胸を揉まれ、アキトへの微笑みが崩れる。
身体をビクンと波立たせた。「セレナイト……さん」
「くっ!」感じている姿をわざとアキトに見せようという魂胆らしい。
それは実際に功を奏しているようでセレナイトは最大限の羞恥にみまわれ、耳まで紅潮させている。
だが羞恥心を紛らわすためか、ガラリと雰囲気を変えて目の前の北辰を見た。「ふん、せいぜい耐えることだな……早漏」
「そういう貴様が先に気をやられるのではないのかな」殺意の篭った言葉に全く動揺した様子もなく、北辰はそう言った。
セレナイトは無言で北辰を睨みつけながら、震える手で股間をまさぐる。
屈辱を抑えながらゆっくりと逸物を取り出した。そして顔を青ざめさせた。「ぁ……ぁ……ぁぁ」
それはセレナイトが一瞬で敵愾心を失うに十分の凶悪なモノであった。
赤黒く変色し、殺傷能力すらありそうな銛のような亀頭。その段差といったらまさにキノコ的である。
こんなもので貫かれた日には自分は一体どうなってしまうのか。「ククク、恐れているな。……いや畏怖しているというべきか。
これに貫かれるとどうなるのかを悟っているのだろう? 貴様の身体では正気は保てまい」すでにセレナイトがどういった理由で生まれているのかは調査していた。
「そ、そんなこと……ない」
明らかに動揺している声色だった。
いくら精神的に強いといっても、いや男としての精神力が強いからこそ怖い。
通常の拷問なら以前に飽きるぐらいにやられた。だが女の身体になって、そういった行為をされたことはない。
自らの身体にあのようなものが入ってくるのかと思うと、恐慌にも似た動揺が心を埋め尽くす。「では、楽しませてもらおう」
「んっ、んん……んぅ……ん」鼻に付く匂いに顔を顰めながらも口の中の北辰に屈辱の奉仕をする。
口内でも強烈に自己主張する怒張に舌を押し付け、吸引する。過去にやられていたことを思い出しつつ実践していた。
嘔吐感もこみ上げてくるのだが、身体の奥が熱い。この身体が北辰の凶悪怒張を含むことを悦んでいるのだ。
それが尚更セレナイトの心を蝕んでいた。「クククク、なかなか上手いではないか。こちらの方も手練というわけか」
「ん……ぅん、んん……ん」怒張を含んだままなので喋ることは出来ない。だが精一杯の憎しみを込めて睨み返す。
「そのような状態で睨まれても恐怖は感じぬ。むしろ男を喜ばせるだけと心得たほうがいい」
「っ!」一生懸命の奉仕とツンデレな上目遣い。そんなシチュエーションで説明しても不自然ではない。
もはや生きる伝説とすらなっている月光の戦乙女と呼ばれる美少女に奉仕させている。それは優越感や支配欲を満たすに十分だった。
その事実に気が付いたセレナイトは恥ずかしそうに、悔しそうに目をそらした。「ん、んぅ……んん……ぅぅんぅ」
悔しさを紛らわすために、何も考えたくないと言わんばかりに行為に没頭する。
今は女とはいえ、元は男である。そんな自分が男のアレを口に含むなんて想像だにしなかった。
しかし今、現にしているのである。
精神は、頭ではひたすら嫌悪を叫んでいるはずなのに、無意識がそれを否定している。身体が北辰のモノを望んでいる。(復讐すべき相手に、こんなことを……)
チュパチュパという音が響かせながら、月光の妖精は涙を滲ませ……こぼした。
「せ、セレナイトさん」
それを見てアキトはやりきれない表情を浮かべる。そして歯を食いしばって目をそらした。
あんなことをして平気なはずがない。想像を絶する屈辱の中で心を凍らせて耐えているのだろう。だがそれでも涙が溢れてしまう。
それでもそれを耐え、自分ごときの為に自らを犠牲にしているのだ。
「ん……ぅ…………ん」
「ふむ、まずは一回目。……こぼすなよ、妖精」
「ん、んぅ……、んぅぅ」ドクン! ドクン! ドクン !ドクン!
水鉄砲のような勢いで喉を叩く北辰の迸り。
頭を抑えられているために逃げることも出来ず、口内を叩きつけられるに身を任せる。
強烈な濃さの精液が口内を埋め尽くし、匂いが身体を駆け巡る。
嘔吐感、それと相対するように征服される被虐感や精液に犯される快感が身体を襲う。「まだ飲むなよ。……口の中で溜めて、ゆっくり味わえ」
「ん……、んぅ……ん」もしこれが男のころだったら、一瞬で嘔吐しえづいていただろう。
しかし今の彼は、いや彼女、セレナイトは嫌悪を感じつつも、この行為に心のどこかで悦びを感じていた。「ん、んふぅ……ぅぅ」
言われた通り、口内の精液を溜めて味わう。
これもアキトを助けるためだ。アキトを無事にナデシコに帰すためならこの身がどうなろうと構わない。
自分の望みは自分以外の仲間の幸せ。ならばこれぐらい耐えられる。「よし、口を開けてみせてみろ」
「ん……ぁ……」口をあけるセレナイト。端しから精液がこぼれる。そして中は精液で一杯だ。
まさに完全なる敗北。征服されたセレナイトの姿であった。
アキトはその姿を悔しそうに見つめる。「よし、飲んでいいぞ」
「……ん……、ぅ…………んぅぅ」ご……クン……、
目を瞑ってセレナイトは北辰の精液を飲み込む。悪寒と快感が喉を通り過ぎる。「おやおや、北辰さんのモノを含んですっかり準備が出来たんですね」
「んぁ! なっ……、ゃぁ!」北辰に奉仕をしていたセレナイトの後ろから手を伸ばし、パイロットースーツの中に手をいれるヤマサキ。
突然のことに驚いたセレナイトは可愛らしい声を出し、下腹部からくる甘い刺激に耐えるように北辰の抱きついた。「や、やめ……ぁぁん! ……ぁん! ……あん! ぁん!」
声が止まらない。せめて普通の声を出したい。よりによってこんな可愛い啼き方は……。
なのにどうしてもこんな声が出てしまう。北辰に抱きついているという事実を考える余裕もなくセレナイトは翻弄される。「準備は万端のようです。このまますぐに北辰さんと性交渉してください」
「あふ! ……ゃ、そこ! だめ……ぇ! ぁ! あ! ……ぁあ!」格闘であればヤマサキなど瞬殺出来る。そんな実力を持っている筈なのにヤマサキの片手になす術がない。
その間に北辰は二人から二歩分ほど離れて座り込む。セレナイトは支えを失い四つんばいになり、ヤマサキの手技に耐える。「さぁ、ここに跨って腰を沈めるがいい」
「ぁふ! ……や! ……て、手を…………ぁん!」
「おや、そうでしたね。ではどうぞ」動かしていた手を引き、セレナイトに行為を促す。
北辰は先ほど濃いのを放出したにも関わらず、ギンギンに肉棒を堅くさせて座っている。「はぁ、はぁ、はぁ、はぁ」
息も絶え絶えになりながら言われたとおりにしようとする。
四つんばいの状態で北辰の前まで行く。「私が脱がしてあげますよ」
ヤマサキはそういって器用にセレナイトのパイロットスーツを脱がす。
透き通るようなキメの細かい白い肌。神話の妖精さながらの美しい曲線を描く裸体。
緻密に一分の隙も無く計算された美しい容姿だった。「これはすいません。まだ大人になりきっていない貴方にこんな仕打ちをしてしまって」
セレナイトの秘部に好色の視線を浴びせながらヤマサキが言った。
「ぅ……ぅるさい」
屈辱感がセレナイトを襲う。
「セレナイトさん……もう」
これ以上、無理はしないで下さい。
こんなことに貴方が耐えるぐらいなら自分は死んだ方がマシです。
そう言おうとした。「だ、大丈夫だアキト。私はこれぐらいのことに屈しはしない。今はゆっくり休んでいろ」
セレナイトはアキトに全てを言わせず、平静を装った微笑みで応えた。
「…………」
なにも言うべき言葉がない。アキトはまた悔しそうに俯いた。
セレナイトは恐る恐る寝ている北辰の胸元に手を置く。
悔しいがそうしないと快感で足元がふらついているので倒れてしまうのだ。
ゆっくりと立ち上がり、彼を跨いだ。「……よし」
誰に向かって言ったのか、覚悟の確認だったのか、
小さく呟いたセレナイトはすぐ下で自分を貫こうと待ち構えている北辰の凶悪な肉棒に向かって腰を落としていく。
子どもと大人といって良いほどの体格差。そして容姿の差も美少女妖精と醜い妖怪。そんな表現が正しい。
穢れなき妖精を、血に濡れた妖怪が貪ろうとしている。クチュ……、
「ひっ!」
思わず声が漏れる。我慢していた恐怖、目をそらしていた恐れが心を、身体を襲う。
どんな激痛の拷問よりも怖い。自らの中にこの凶悪なモノを受けいれるのがこれほど怖いとは……。「……ぁ……ぁ…………ぁ……ぁ」
復讐の為に人の心を捨て。全てを殺し続けてきたはずなのに……。
黒の王子と呼ばれていた自分が、歯をカチカチと鳴らして恐怖に慄いている。
これを受け入れたらもう昔の自分には戻れない。……そう本能が訴えている。「どうした? 恐れをなしたか?」
「困りましたねぇ。それではお弟子さんが」
「だ、大丈夫だ! いますぐやる!」そうは言うが北辰の腹部に置いている手は震え、瞳には涙が浮かんでいる。
無理をしているのが簡単に分かる表情。その様子があまりに可愛らしくて虐め甲斐があるのでタチが悪い。「んっ」
ゆっくりとまだ汚れのない処女地がこじ開けられる。
濡れた音とともに北辰の肉棒がセレナイトを犯していく。「ぁ、くぅぅ……、んぅぅぅ」
か弱く、愛らしい声が出てしまう。が、セレナイトはそれ所ではない。
壮絶な圧迫感と身体を突き抜けるような快感、初めてにもかかわらずセレナイトの身体は快感しか伝えてこない。
さらに凶悪な肉棒は侵入する。「かはぁ……、ぅ・・・・・ん、ん、ぅぅ……うぅぅぅぅぅ」
視線は虚空、口は閉じようとするが、わずかに開いて声が漏れる。
「ぁ、ゃぁ…………は、はい……った…………んぅ!」
ゆっくりと、熱い湯船に入るかのような恐る恐るの動作で、北辰の肉棒を体内に受け入れた。
対面座位の形で向かい合い繋がる。宿敵といえる相手とこの様な近距離であいまみえることになろうとは……。
しかも男女の交わりとして。「くくく、もう気をやりそうではないか」
そしてこんな風に自分が快感に蕩けている顔を見られるとは。
「み……る、なぁ……」
潤んだ瞳で恥ずかしそうにそう言って……顔を俯かせる。
「では、腰を動かしてもらおう」
「はぅ、ま、まだ……少し……、このままで……」そうしないとすぐに絶頂に導かれるし、快感で脳神経が焼ききれるかもしれない。
愛玩設定のこの身体は男に貫かれることに対して最高級の快楽を感じるように出来ているのだ。
「ククククっ、情けない奴だ。……ほらっ」
トン、……軽く一突きした。
途端に、
「きゃん!」
セレナイトが甘く鳴いた。
「あっ、……くぅぅ」
みるみる内に首筋が、頬が、耳が、赤く染まっていく。
簡単に操られる自分が情けなくて、悔しくて、恥ずかしくて、様々な感情がセレナイトを蝕む。
「ククククク」
嘲るようにそれを眺める北辰。
「こ、この、……人でなしぃ」
羞恥に染まった表情で、瞳に涙をたたえながら呟く。
「クククク、どうした? 動かないのか?」
「だ、だからもう少し」
トン、
「きゃん!」
「ククククク……」
「き、きさま、いいかげんに」
トン、
「きゃん! ……くっ、くぅぅ」
悔しさで泣きそうになる。
「クククク、仕方ない、では私が動いてやろう」
「え? ……あっ、ま、待って……んきゃぅ!」
ズン! 先ほどとは違う強烈な一突き。
甘い電流が全身を駆け巡り、視界に星が煌いた。
一瞬で脳内が快感に埋め尽くされる。
ズン! ズン! ズン! ズン!
律動は止まらない。
「きゃふぅ! あ! あっ! あ! あ! ……や! ……ひぅぅ!」
下から大地震のような突き上げが来る。
恥も外聞も無く、誇りも忘れて、セレナイトは啼いた。
すでに一回絶頂を迎えている。「や! ……死……ぬ! ……ぁぁ! こ、こんな! こんなの! ……むり!」
予想の遥か上を行く快感、人格すら犯しそうな凶悪な刺激。
「や! やめ、……やめろぉ! やん! ……ぁ! ……やぁ! ……やめて! あんっ、やめ!」
何も考えられないような煌きの中、それを抑えるために北辰の突き上げに抗う。
といってもその肩をポコポコと叩き、身体を抱きしめるだけ。俗に言うところのセレナイト流護身術「モエ殺し」である。「ひぃん! ……あっ! ……あ! ……ん……っとに、つよ……ぃ、からぁ! ……もう! ……あぐぅ! ……やめ!」
「せ、セレナイトさん!」
「あぅ! あ、アキトぉ! ……くぅ! ……だ、だいじょうぶ。……ぅぅん! ……大丈夫、だから……あん!」彼を心配させてはいけない。なんとか理性を取り戻そうとする。
だが……、「きゃぅん! ……ゃ、そこ! あ! あ! あ! ……だ、だめ! むり! ふぁぁぁあああ」
弱点だらけの中で、さらに弱点のGスポットを見つけられた。そこを凶悪な肉棒で、内臓を抉るようなカリで突かれ削られる。
人三倍ぐらい感度の良いセレナイトでは一たまりもない。何度目かわからない絶頂に追いやられる。「次から気をやるときは、自分で申告しろ。言わなければソイツの腕を切断してやる」
言葉を聞いているのかも怪しい。それほどに乱れているセレナイト。
北辰は構わず、自らに前のめりに倒れこんでいる彼女を後ろに押し倒し、正常位の体勢に持っていった。
そして怒涛の打ち込みを開始した。「ひぃん! ぁ、あ! あ! あ! あ! んぁあ! また来る! あ、イく! イく! んぅぅぅ!」
きちんと聞こえていたようだ。
そして高みから下ろしてもらえないので容易く絶頂を迎える。「やっ、また! 休ませ、ぅんん! や、あ! あ! あ! ふぁ、あ、あ、い、イく! イく!」
北辰の身体を抱きしめながら果てた。
彼がいったん腰を止める。「はぁ、はぁ、はぁ、はぁ、……はうっ!?」
そしてすぐに動きを再開した。
緩急、強弱、静と動を使い分けセレナイトを翻弄する。「んくぅ! あ! あ! あ! い、いいかげんにぃ、し、し、ひぃぃ、も、もう! あ、あああ!」
気が狂う。
自分では止められない涙がポロポロとこぼれる。「いま気をやったはずなのに自己申告しなかったのではないか?」
鋭い眼光で彼女を睨み、そしてアキトを見た。
「ひ! ぁ、い、イった! イきました! だからアキトには、ぁ、あ! あ! あ!」
そう言って媚びるように彼の首に両手を巻き、腰に両足を絡ませた。
「や、またくる、い、イく、あぅ! も、もうやだ! あ! あ! イきます! あ、あああ!」屈辱、反抗したいのに自らの絶頂を伝えなければ成らない。そして快感は際限なく襲う。
セレナイトの精神は崩壊の一歩手前まで来ている。「さすが木連の暗部。すさまじいテクニックですね。私も興奮してきました」
あれだけ強い精神を持っていた女がこうも乱れるとは。
軍の汚い仕事を一手に引き受ける北辰らの真の力にヤマサキは感嘆した。「では私はこちらで参加させていただきましょう。最初からこちらを頂こうと思っていたのです」
ベルトを外し、ズボンを脱ぐ。
北辰は彼の意図を察し、セレナイトを持ち上げて立ち上がる。「ひぃぃぃ! ぅ、あ! ふ、深い! あ! あ! あ! いくぅぅぅ!!!」
重力が自らを落とし、下からは子宮を圧迫するように肉棒が突き刺さる。
新たな体勢での快感に、もう何度目かも分からない絶頂を迎えた。
北辰に抱き上げられた状態。落ちないようにと彼に必死にしがみついている。
張りのある美しい双丘は彼の胸板に押しつぶされていた。「くぁぁぁぁぁぁ!」
そして今度は何の前触れもなく、後ろからヤマサキが襲い掛かってきた。
その刺激によって背を仰け反らせ、快楽で蕩けるように白目を剥く。「さすが愛玩設計。いきなりのアナルでこの感じ方ですか……。というか今、イきましたよね」
ヤマサキはセレナイトの耳元でそう囁いた。
「ぁ、ああ、は、はい、い、イキました。……だ、だからアキトは、んぅ! アキトにはなにもしないで、ください、あん!」
「ふふふ、すっかり従順になってしまって……、可愛いですよ、月光の戦乙女さん」
「く、くぅぅ」
子どもをあやすように頭を撫でるヤマサキ。屈辱的な行為に快感と怒りが沸騰する。
だがこの二人ならアキトの腕を切断するぐらいのことは平然としてのけるだろう。
だから、言いたくもない媚びた口調で懇願しなければならない。「好きに動いても良いですか?」
「あっ、ん、は、はいっ、好きにっ、して、くだ」
「では堪能させて頂きます」
「ひぃ! や、ぁ、あ! こ、こんな、む、むりぃ! あ! あ! あ! 」二人のピストンががむしゃらに不規則に襲ってくる。
二つの肉棒に責められる圧迫感、そして快感は想像を絶する。
これを長時間続けられたら本当に自分は壊れる。「あ! あ! い、イきます! またイきます! だ、だから、もう!
んぁ! あ! あ! もう! 許してください! あ! あ! や! だめ! あ、い、イク、ふぁぁぁ!」返事を聞く前に果ててしまった。もう本当に、本当に許して欲しい。やめてくれるなら何でもする。
プライドすら打ち砕かれたセレナイトの心がそこにあった。「ぅ……そうですね。ずっと貴方たちの行為を見ていたせいか、私はもう終わらせられます」
「私はいつでも構わないが」「ここで激しくヤりすぎて壊してしまっては面白くありませんし。
反抗的でありながら薬を使わずともここまで堕としやすい逸材はそういませんから……。では私たちにイって下さい。とお願いしてください」「は、い、あ! あ! ん、んぅ! お、おねがいです、も、もうイってください!
あ! や、やだ! あ! あ! あ! もう! あ、イク、イきます! だから、ぅああ! おねがい!」懇願していた自分が先に果てそうだ。そしてついにヤマサキたちも、その愛らしいセレナイトの感度に気をやられた。
「く! 出る!」
「ふっ、受け取るが良い」ひときわ腰を強く突き出し、セレナイトの奥深くに射精した。
「っぅ!? ……ぅ、あ、あ、あ、あああああああああああ!」
絶頂に叩きつけられる熱い精子。その暖かさが壮絶な快感になる。
艶のある可愛らしい声を出してセレナイトは最大級の絶頂を迎える。
そのまま神経が焼ききれたかのように脱力し気を失った。
北辰とヤマサキに抱かれ、挟まれたまま、
怨敵たる二人に抱かれたままセレナイトは意識を失ったのだ。
「セレナイト……さん……」
その一連の様子を、股間を膨らませながら、そして怒りをその数倍に膨らませながら、アキトはじっと見て耐えていた。
まだまだセレナイトの陵辱ははじまったばかりである。
でもないよ。