「セレナイトさん! セレナイトさん!」

パン! パン! パン! パン!
後方から激しく打ちつける。

「くっ、うっ……、ぅん! ……、ぁっ、ん!」

壁に手をついてその刺激に耐える。

「セレナイトさん! セレナイトさん!」

パン! パン! パン! パン!
一心不乱に腰を打ちつけ、さらに両手で胸を揉みしだく。

「ぁっ、……やっ、……んっ、だめっ……」

壁に手をついて体勢を維持するのに必死。

「セレナイトさん! ……くっ、……あ、イキます!」
「ふぁ! ぁっ、……ぁっ! んっ、……アキト! ……そとに!」
「セレナイトさん! くぅぅぅ!」

ドピュルル! ドピュルル!

膣内に射精。

「ふぁぁぁ! ……い、……っくぅぅぅ!」

その熱さを子宮に感じ、セレナイトも絶頂する。
耐えられずに壁から手を離すが、胸を揉んでいたアキトがそのまま支える。
さらに抱きしめるように引き上げ、膣内を抉っていた怒張が子宮口を捻るように突き上げた。

「くぅぁぁぁぁぁぁ!」

蕩けそうなほどに甘い声でセレナイトが鳴いた。
目尻からは涙が零れ落ちる。

「はぁ……、はぁ……、はぁ……、愛してます、セレナイトさん」
「んっ……」

ピクン……、身体が言葉に反応する。
それが嬉しくて、アキトはさらに強くセレナイトを抱きしめる。


「…………愛してます、セレナイトさん」


もう一度、心を込めて言った。











「あそこが……、痛い」

自室に戻り、セレナイトが言った。

「いくら若いからといって、あんなに何度も何度も……」

お前は猿か、プロゴルファー猿か、と突っ込みを入れたくなるぐらい触れ合いを求めてくるアキト。
さすがのセレナイトも辟易してしまう。

「それにあんなに何度も中出しされていたら、いくら妊娠し辛いと言って孕んでしまうんじゃないか」

それはさすがに勘弁して欲しいと思う。
まだまだ自分にはやらなければいけないことがたくさんあるし、ナデシコの皆にはこの関係は秘密にしている。
だからうっかりとお腹を膨らませるわけにはいかない。……何よりユリカにあわせる顔がない。

「そう……、ユリカのことが」

自分が愛したユリカ。この世界のユリカ。
二人のユリカに今のアキトとの関係はとても胸を張って報告出来るものではない。

「このままじゃ大変なことになる」

今でももう取り返しのつかないところまできてしまっている。
ルリとラピスにもアキトとの顛末がばれてお仕置きされてしまった。
ちなみに今日もこれから二人が尋ねてくる予定だし、色々とされてしまうのだろう。

「ルリちゃんたちにはアキトとのこと許して貰えたけど、だからといってこのままこの関係をズルズル続けるわけには……」

いくら秘密にしていてもいずれは周囲に漏れてしまうかもしれない。
セレナとアキトが真剣交際! 結婚も視野に!
などという話が尾ひれをつけて縦横無尽にナデシコ艦内を、果ては月光の戦乙女のスキャンダルとして世界中に拡散……。

「そ、そんなことになったら……」


恐怖で身を震わせる。
アキトが嫌いなわけではない。今となっては好意すら抱いている。
かつての自分自身を好きになるなど、ナルシストにも程があるが、もはやセレナイトはセレナイトなのである。
黒の王子のアキトがセレナイトという美少女の容れ物に入り、そこで多くの時間を過ごした。
もはや元の身体に戻っても、それは寸分違わぬ黒の王子時代のアキトとは決して言えない。

だから、この状態でかつての自分であるアキトに好意を持つことは何ら不思議なことではない。
何よりも愛されることが、求められることが心地良い。

「でも……」

それを凌駕するのはユリカへの想い。
自身の好意など露ほども重要ではない。アキトの想いすら重要ではない。
全てはユリカのために、この世界のユリカのために、守れなかった人たちを今度こそ幸せにするために……。
それだけがセレナイトとして生きている意味。

「だから、この状況は絶対にまずい」

この状況をユリカが知ったらどうするだろう?
傷ついて、悲しんで……。

「うわぁぁぁぁ! ごめん! ごめん!ユリカぁぁぁぁ!」

唐突に頭を押さえてベッドにうずくまる。
涙すら流している。

「うぅ……、う、ぅ……」

実際、最近のアキトはユリカに冷たい。
今までも冷たかったが、最近はさらに……。

セレナイトへの想いに誠実にあろうとして、ユリカからのアプローチを必要以上に忌避している様子。
復帰したアキトを見て喜び、たくさん接触を重ねているのに、煙たがるように冷たくあしらっている。
それでもめげずに「アキトは私が好き!」とアタックしているのだが、それを見ていると心が張り裂けそうになる。
そのアキトはあろうことか自分と好き放題、愛を育んでいるのだ。

アキトも本来ならきっぱりと言いたいのだろうが、この関係は秘密にしているので言えないでいる。

「ごめんよ、ごめんよぉ、ユリカぁぁ」

嗚咽しながら呟く。
罪悪感で身体が潰されそうになる。
果敢にアタックしているユリカがふいに見せる悲しげな表情。
そんなのを見てしまうだけで涙腺が緩んで瞳が潤みだす。

「何とかしないと……、何とかしないと……」

何とかしてこの状況を打開しないと。
自分はどうなっても良い。ただただユリカの願う未来を実現してあげたい。
ユリカを幸せにしてあげたい。

「私が望むのは……、ただ、それだけなんだ」

涙を流しながら、セレナイトは言った。













「セレナイト……さん?」

一体なぜ、自分はここに呼ばれたのだろう。……バーチャルルームに入ったアキトは思った。
本来なら訓練終了後、食堂でセレナイトに手料理を振舞ったあと、自室でまた愛を育もうとしたのだが。

「すまないがシャワーを浴びたあとにバーチャルルームに来てくれ。話がある」

妙に真剣な表情でセレナイトは言った。
断る気などさらさらないのですぐに応じた。

そしてシャワーを浴びたあとにこうして尋ねてきたのだが……。

(もしかしてここで変わったエッチでも……)

頬と股間が熱くなる。
バーチャルルームは様々なシチュエーションを自分の思うままに体験できるレクリエーションルームである。
服装や環境を自由に設定し、それぞれが役になりきったり過去の記憶に拠るシーンを追体験したり……。

「えっ、ユリカ?」
「あっ! アキトだぁ!」

すでに先客がいた。

「どうしたのアキト!? ユリカに会いにきてくれたの!?」
「ち、違うよ! オレはセレナイトさんに呼ばれて!」
「えっ! アキトも!? ユリカもセレナちゃんに呼ばれたの」
「お前も……、なんで?」
「知らない。私達に用事があったんじゃない?」

「その通りです、ユリカさん」

「えあっ、セレナちゃん!?」
「セレナイトさん」

二人が振り返ると入り口の方にセレナイトの姿。
あの時と同じ、白のワンピースを着用している。

「わぁ! どうしたのセレナちゃん! そんなおめかしして!」
「…………」

ユリカは目を丸くして驚き、アキトは記憶のフラッシュバックで頬を赤くする。

「セレナちゃん! 可愛い!」

ダキッ!
いち早く行動に出たユリカ。
セレナイトに走り寄って抱きついた。

「あ、ありがとうございます、ユリカさん」

それを出来るだけ平静を装って受け止めるセレナ。
内心ではもちろん嬉しい。

「あの、セレナイトさん、それで用事って……。しかもオレとユリカに」
「ああ、今から話す。……ユリカさん、ちょっと離れてくれませんか?」
「えぇ〜! このままが良いよぉ! セレナちゃん可愛いんだもん!」
「そ、そう言って下さるのは嬉しいですが、込み入った話でもあるので」
「ユリカ、セレナイトさんが困ってるだろ!」
「うぅ〜、分かったよぉ!」

渋々と言った感じで離れた。

「それで……、話って」
「ああ、ちょっと長くなるけど聞いてくれ。ここならプライバシーは確保されてるから話やすいしな。
ユリカさんも聞いてくれますか?」

「うん!」

「ありがとうございます」

ともにニッコリと微笑んだ。

「では……」

コホン、軽く咳払いをしてから始めた。

「私がなぜこの艦にいるのか、どういう信念のもとにこうした生き方をしているのか、二人に知っておいて欲しいのです」
「信念……」
「えぇ! セレナちゃんの昔話!? なにそれ、凄く聞きたい!」
「はい、今から話します」

もう一度微笑む。しかしその笑みにあまり余裕はない。
むしろ緊張感すら漂っている。

大きく深呼吸したあと、意を決したように口を開いた。

「私にはかつて……、とても大切な人がいました。凄く大切な人が……。
それはもう自身の一部、生涯の伴侶と言っても良い人が……」

「えっ……」
「わぁ! 素敵ぃ!」

「ささやかながらとても幸せでした。大切な人がいて、守りたい子もいて、皆と一緒に何気ない日常を送っていた。
そしてそれが本当に幸せでした」

「良いなぁ、良いなぁ! ユリカもアキトと結婚してそういう風になりたいなぁ」
「………………」

「………………」

セレナイトもアキト同様、その言葉に何も返せなかった。

「ですが……、ある時、ある事件を切欠にして私のその大切な人は殺されてしまいました」

「えっ…………」
「えっ…………」

「本当に……、本当に理不尽な理由で殺された。そして最低な屈辱を受けた」

セレナイトの拳が震える。

「私はその様をずっと見続けていました。大切な人が死ぬ瞬間も、死ぬまでの間、辱めを受け続ける姿も……」



「気が狂いそうになった。……いいえ、狂いました。発狂するほどの怒りが私を満たしました。
だから私は復讐の鬼となって闇雲にその相手を、その勢力に所属する者を殺し続けました」

「………………」
「………………」


「周囲を省みず私は復讐者として歩み、憎き相手を殺しに殺し、後ろにはただただ骸だけが残った。
だけどその甲斐があって私の復讐は成就しました」

「………………」
「………………」

「それからはもう私に価値などはない。それに疲れてしまった。愛する人のいない世界で生きる必要などありませんでした。
だから私は愛する人のもとへ行こうと死を選びました。……ですが何の因果か、ボソンジャンプの過程で過去へと、この時代へと飛ばされてしまった」

「なっ……」
「うそ……」

「そして私は何の因果か再びナデシコに乗ることになりました。ナデシコには私の知っている人がたくさんいました。
もちろん貴方たちも良く知っていました」


「それで私は決めたんです。今度こそ全てにおいて最善を尽くし、あの悲劇を絶対に繰り返さない。今度こそ皆の幸せを、笑顔を守ってみせる……と」

その超絶技能を用いてエスバリス乗りとしてエースとなり、その他の業務も見事にこなした。
ナデシコ内の人間関係にも留意し、特にアキトのパイロットとしての育成には多大なる貢献を……。

「貴方たち二人は私にとって憧れだったんです。幸福の象徴だった」

「とても仲睦まじいご夫婦でした。私はそんなお二人の姿を見ているだけで幸せで、涙が出るほど嬉しくて……。生きる希望だったんです」

「きゃあ! やっぱりユリカとアキトは結ばれるんだ!」
「………………」

「はい、その通りです。本当にお幸せそうでした」
「きゃあ!」

「ですが……、それも束の間、お二人は私の大切な人と同様、奴らに殺されてしまいます」

「きゃぁ! もうやだぁセレナちゃ……え?」
「そ、そんな……」

「本当に悲しかった。そしてお二人を守れなかった自分が不甲斐なくて、悔しくて……。
復讐の鬼となり、復讐を果たしてからもその悔恨が晴れることはありませんでした。
ですが、こうしてもう一度、貴方がたを救うチャンスを得られた。
だから私は貴方がたを守るために全てを捧げようと全身全霊を尽くしました。
特に、私に何かあった時でもユリカさんを守れるようにと、アキトを鍛えることを重点的に行いました」

「………………」

「出来るだけ私が阻止するつもりではあったけど、もし来たるべき未来が訪れたとき、アキト自身がアイツらからユリカさんを守れるようにする。
それぐらいの力を身につけさせる、そのために私は全てを捧げました」

「セレナ……ちゃん」
「…………」

そこまで自分たちのためを思って行動され、感動しないわけがない。
ユリカの瞳には涙が溜まっている。

「………………」

そんな無垢な態度を見て、セレナの表情が曇る。
なぜならここから……。


「だけどその行為が裏目に出ました。私が親身に接するあまり、本来なら私など歯牙にかけないはずのアキトが、私に恋愛感情を抱いてしまったんです」

「……えっ」
「せ、セレナイトさん!?」

「本来ならユリカさんと仲睦まじい夫婦となるはずだったのに……。私が出しゃばるあまり、その未来に狂いが生じてしまった」

さらには身体を許し……、アキトの愛情さえも受け入れた。

「えっ……、なに? ……えっ、……えっ?」


「私はとんでもないことをしてしまいました。謝っても謝りきれるものじゃありません。
守ろうとしていたのに……。私は守ろうとしていたのに……。なのに自身の手でそれを壊してしまったのです」

セレナの瞳から涙が溢れてきた。

「本当にごめんなさい、ユリカさん……、ごめんなさい」

そう言うと床にひれ伏して土下座した。

「ごめんなさい、ごめんなさい」

「なっ……、セレナ……ちゃん」

ユリカは呆然とその姿を見る。

「せ、セレナイトさん! そんなことしなくても!」

慌ててセレナイトのもとへ駆け寄るアキト。

 「それに悪いのはオレで! 貴方は何も悪く!」

「いや、受け入れてしまった私に非があるのは間違いないんだ。
それがどういう結果を生むのか分かっていたんだから……」

「で、でも……。そもそもオレとユリカはまだ結婚なんてしてないんだから、オレの気持ちがセレナイトさんにあっても」

「だから心苦しいんだ。私が幸せな未来を変えてしまったんだから……。
お前の気持ちは本来ならユリカさんのところに向かうはずだったんだから」

「そ、そうかもしれませんが、いまオレが愛してるのはユリカじゃなくて貴方です!」

「………………」

「あ、アキト……、それ……、本当に言ってるの?」

「そうだよ! オレはセレナイトさんが好きだ! 愛してるんだ!」

「やめろ、アキト……」

「うそ……、うそ……、アキトは私の王子様なのに……。アキトは私が好きなのに……」

呆然と呟き、その場にストンと腰を下ろすユリカ。

「ごめんなさい、ユリカさんっ。ごめんなさい!」

涙を流してユリカに縋るセレナイト。

「ごめんなさい! ごめんなさい!」
「………………」

しかしユリカの反応はない。

「ユリカさん! ユリカさん!」

「セレナちゃんが……、アキトを取っちゃったの?」

「っ、……う、……ゆ、ユリカさん、聞いて下さい! こんなことを言うだけなら私は!」

「いや! 聞きたくない!」
「ユリカさん!」
「うわぁぁぁん! セレナちゃんの馬鹿ぁぁ! 私の大好きなアキト取っちゃうなんて! 私の王子様取っちゃうなんて!」
「落ち着いてくださいユリカさん!」
「ばか! ばかぁ! セレナちゃんのばかぁ! この色白! 妖精! 美人!」
「ユリカさん、落ち着いて! 私はこんなことを言うためだけに貴方を呼んだわけじゃないんです!」
「ひっく、ひっく、ばか、……ばかぁ、セレナちゃんのばかぁ」

「もちろん私はどんな罰でも受けるつもりです。貴方の望むことはどんなことでも受け入れます。
死ねと言われれば死にます。貴方の幸せを育むために私はいるんですから!」

「セレナイトさん!」

「ですが、それはアキトが許さないでしょう。それを実行すればアキトの心は永遠に貴方のもとから離れてしまいます!」

「そんなの当たり前だよぉ! それにユリカ、そんな酷いこと言わないよぉ!」

「分かっています。貴方の優しさは誰よりも分かってるつもりです。貴方の心の美しさも誰よりも分かっています」
「ひっく……、ひっく、……ひっく」

「正直に言えば、あの時から、そして今も私は貴方に憧れ、好意を抱いています。今でも私は貴方を……、アキトよりも好きだと想っています」
「ひっく、……ひっく、……えっ?」
「……えっ?」

アキトも驚愕の表情。

「ですからそんな貴方が幸せにならないなんて私は耐えられない。貴方の笑顔が失われてしまうなんて私は耐えられないんです。
そんなことになれば……、私はこの命を絶たなければ気が済まないでしょう」

「う、うぅ……、セレナちゃん」
「………………」

「だから私は必死に考えました、ユリカさんの笑顔を取り戻す方法を……。アキトの心を貴方に向ける方法を……。
私がアキトに嫌われることも考えましたが、それはやはり出来ませんでした。アキトは純粋ですし、何より貴方とアキトに嫌われることは私にとっては本当に辛いこと。
ですからそれは出来なかった。……でもどうにかしてお二人の仲を取り持ち、あの幸せな未来の光景を実現させたかった」

そして様々な方策を必死に考えた。
その結果、

「私は一つの結論に至りました」
「……結論?」
「はい!」

それは?

「それは、私がお二人の愛人になることです!」


ババン!


「私は貴方がたお二人が夫婦であることが何よりの幸福。そしてユリカさん自身もそれを願っている。でもアキトは今のところ私に好意を抱いてしまっている。
だとすればどうしたら良いか……。ならばこれから時間を掛けてユリカさんの魅力を見せていきましょう!
そうすればアキトの気持ちは必ず貴方のもとへと戻ってきます! 何せ元は愛し合ってご結婚した仲なんですからっ!!!
どうですか!? 名案だと想いませんか!? それでその作戦が成就したあと、お二人が私を必要としなければ私はお二人の前から姿を消します!
もしお二人の仲睦まじいお姿を近くでみさせて頂けるなら、私はそれだけで幸せですから、その時はそばにいさせて下さい! 」

「セレナちゃん……」
「セレナイトさん」

「どんなことでもします。雑用もします。お掃除もします。お二人が幸せになるためのお手伝いならなんでもします!」

「………………」
(セレナちゃん……)

もう一度、心の中でユリカは呟いた。
そして過去を想った。

彼女と初めて会った時の印象は今でも強く残っている。
とても美しい、妖精のような少女。そして今思えばあの時の不可解な行動も納得がいった。
初対面でいきなり涙を流して抱きついて来た。
恐らく未来で殺されてしまった自分に会えて嬉しかったのだろう。
今度こそ必ず守る! 涙ながらにそう宣言され、抱きしめられた。
あの時は何がなんだか分からなかったが、今なら分かる。

それに別のときでも、事あるごとに自分を慈しみ、守ろうとする意思が感じられた。


『私はユリカさんの為なら何でもします。どんな相談事でも乗るつもりです。私の命は貴方の為に』

そう言ってくれたこともあった。

(あんな頃からユリカ達のために……)

相談にもたくさん乗ってもらった。
恋に関する相談、仕事に関する相談、口内炎の痛みに関する愚痴など様々……。
アキトに関することにも親身になって、決して自分からアキトを奪おう、なんて気はなかったような気がする。

ただただ自分のために行動してくれていたような気がする。


「ユリカさん……、お願いです、もう一度私にあの時の笑顔を、お二人の仲睦まじいお姿をみさせて下さい」

涙を浮かべて、罪悪感一杯の表情で必死に縋ってくる。

(セレナちゃん……)

こんな子にお願いされて断れる人間なんているのか……。
それにアキトもこんな子に手取り足取りで特訓を受けていたら好きにならないわけがない。
自分は、アキトが自分のことを好きだ好きだと勝手に考え、ひたすら押し続けただけ。

(それじゃあ駄目だよね)

近くにこんなに強い信念を持って凛々しく生きる美少女がいるのだから……。
何も考えていない自分なんかが勝てるはずがない。

(だったらユリカもこれから頑張ろう! セレナちゃんに色んなこと教えて貰って、もっと素敵な女の子になろう!)

そうすればきっとアキトも自分のことを好きになってくれるはず。

(だって本当だったらユリカとアキトは結ばれてるんだもん!)

セレナイトはその後に起こる不幸を止めるために命を賭けて自分達を守ってくれているのだ。
その努力の結果起こった多少の変化を恨んでも仕方がない。

「ねぇ、セレナちゃん?」
「は、はい!」

「セレナちゃんの大切な人は……、どうしたの? ……その人はナデシコに」
「……いえ、この世界にはもう、いません」

「………………」

「私の大切な人はあの人だけです。代わりはもういないんです。
ですから私自身がもう幸せになることは出来ません。でもその代わりにユリカさん達が幸せになって下されば」

「セレナちゃん!」
「……えっ?」

ユリカが強くセレナを抱きしめた。

「ごめんねセレナちゃん! 私のために! 私達のためにこんなにしてくれて!
セレナちゃんが一番辛くて大変なのに! それなのに私たちのことばっかり考えて!
私たちを守るために傷だらけになって! それなのに私、自分のことしか考えてないで!
アキトを取られたって勝手に怒って! ……本当に最低だよぉ! うわぁぁぁぁん!」

「ユリ、カ、……さん」

「本当にごめんね! 本当にごめんねぇぇ! うわぁぁぁぁん!」

さらに強く強くセレナを抱きしめる。

「ユリカさん……」

その抱擁を呆然と、ある種、夢見心地のような表情で受けるセレナイト。

「あの……、許してくれる……、の、ですか?」
「許すよぉ! むしろこっちの方が許して欲しいよぉぉ!」
「ユリカさん……」

ユリカの言葉を聞いて心の棘が消えていく……。
嬉しくなって積極的に、抱擁に応じる。

「アキトも許すよね!? セレナちゃんのこと許すよね!?」
「あ、ああ……、オレは別にセレナイトさんに怒ってなんかないし」

むしろ彼女の経緯を聞いてますます好きになってしまった感さえあった。
本当に素敵な人なのだと。

「セレナちゃん! これから二人でアキトの恋人になろうね!? いまはアキトはセレナちゃんの方が好きかもしれないけど!
ユリカ、セレナちゃんに色々教えて貰ってもっと素敵な女の子になるから! そしたらセレナちゃんと同じくらいアキトに好きになって貰えると思う!
それで二人でアキトの恋人にして貰おう? 一緒に結婚しよう!?」

「えっ……、いや、私はそんな……、期間限定の愛人で充分です。お二人の幸せなお姿を見せて頂ければ」

「駄目だよぉ! ユリカはセレナちゃんにも幸せになって欲しいの! 今まで守ってくれたお礼に、守ろうとしてくれたセレナちゃんにお礼がしたいの!
ユリカがセレナちゃんを幸せにしたいの!」

「ユリカさん……」

「ね? セレナちゃん? 一緒にアキトの恋人になろう?」

「……そ、それを、ユリカさんが望むのなら私に異論はありません。
私はナデシコの皆のために、そして何よりも貴方の幸せを守るためにいるのですから」

「セレナちゃん!」

ダキッ!
もう一度強く抱きしめた。

「アキトも良いよね!? ユリカとセレナちゃんが恋人で良いよね!? ちゃんと二人を好きになってくれるよね!?」

「……あ、ああ、セレナイトさんが良いなら」

「やった! セレナちゃんやったよ!」

「は、はい、良かったですね」


「うん!」


ユリカは満面の笑顔で頷いた。


「で、では私の話はこれで終わりです。まだこの関係の整理は出来ないと思いますから、
お互い徐々に慣れていくのが良いかと。……アキトもそれで良いよな?
私とユリカさんを恋人として愛するように努力してくれ」

「は、はい! 分かりました!」

まだ気持ちの整理は出来ていないが、セレナイトの望みを聞かないわけにはいかない。
それにその事情と言うものも非常に重たいもので一蹴できるものではない。
むしろその信念がセレナをあれほど気高く、美しく魅せている要因で、それがアキトを惚れさせる要因にもなったのだろう。

その素晴らしき人が以降も自分の恋人としていてくれるならそれで充分だ。
ユリカにしても恋愛感情は、自覚している限り、無いと言えるが、だからといって嫌いではない。
未来で結婚しているということから言って、好きになれる要素は秘めているのだろう。

「まあ、英雄色を好むというからお前なら大丈夫だろう。それなりの実力はあるし……。甲斐性はなさそうだけどな。
もっとも私との関係は身体だけでも構わないからユリカさんにだけは愛情を向けてくれると嬉しい。
もしそうならなかったら私は二人の前から姿を消す。それだけは覚えておいてくれ」

「は、はい! 分かりました!」

「それではそういうことで、これからも宜しくお願いします、ユリカさん、アキト」

「うん、よろしくね! セレナちゃん!」
「宜しくお願いします!」




こうして三人の不思議な恋人関係が始まった。

















「よぉぉし! これでユリカの幸せゲットだぜぇい!」

テンション高く叫ぶセレナ。
自室のベッドで飛び跳ねるように言った。

「あとは私がユリカのフォローをしてアキトの意識を向けさせれば……。
第一、ユリカだって本当は凄く可愛くて素敵なんだ! 私が惚れた女なんだからな!
だからこれから一生懸命女を磨けばもっともっと! ……もちろん今のままでも可愛いけど!」

アキトを奪ってしまった自分をすぐに許し、さらには幸せすら与えようとしてくれた。
さらには自分のために泣いて、謝って……。

「やっぱり……、ユリカはユリカだ!」

感動が胸裏を駆け巡る。
彼女を幸せにしてあげたい。命に代えても幸せにしてあげたい。

「……分かってる、分かってるよユリカ。もちろんお前のことは忘れてない。私の最愛の人はお前だけだ。
でももう一つのお前の可能性を最大限幸福にしてあげようと思うことは決して悪いことじゃないだろ?」

そのために生きながらえた身だったのだから……。

「もう北辰もヤマサキも死んだ。戦況も悪くは無い。恐らくこのまま行けば良い勝ち方が出来る。
草壁が台頭せずクリムゾンも暗躍せず、火星の後継者も現れない。現れたとしても以前よりも弱体化しているはず。
それにA級ジャンパーの保護は私の方で徹底的にやるつもりだ。アイツらに拉致されるようなことは絶対にしない」

それが原因で自分とユリカは壮絶な屈辱を受けたのだ。
だから何としてもA級ジャンパーの保護だけは一切の瑕疵なくやり遂げなければならない。

「それが終わればもう……、あとは皆の幸せを見守って、……そのあとは」

今度こそユリカのもとへ行きたい。
多くの反対があるだろうが……。

「……お前をいつまでも一人にしたくはないからな」


虚空を見つめながら言った。
その想いがセレナの真実の想いだった。

ふいに来客の知らせが届く。体勢を整えて入室を促す。
意外なことに来客の正体はユリカだった。

「どうしたんですか?」

首をかしげながら聞いた。

(まさか冷静になって怒りがこみ上げてきたとか?)

「えへへ、セレナちゃんとお話したくて……」

頭を掻きながらユリカが言った。

「お話、ですか?」
「うん、今までのこととかこれからのこととか……。
それにセレナちゃんのことをもっと知りたいし、アキトとのこととかも」

「は、はぁ……」

「……だめ?」

「いえ、ユリカさんのためなら私はどんなことでも」

「もう! そう言ってくれるのは嬉しいけど、じゃあセレナちゃんの本心はどうなの?
ユリカのために嫌々話すとかだったら悲しいよ?」

「そ、そんなっ、私はユリカさんとお話出来ることが凄く嬉しいです!
嫌々なんてことは絶対にありません!」

「……ホント?」

「はい! 言ったじゃないですか! 私はアキトよりも貴方に好意を抱いているって!」

「……えへへ」

照れくさそうに頬を赤らめるユリカ。

「でもそれはそれでアキトが可哀相だな。アキトはセレナちゃんが好きなんでしょ?」

「アイツは良いんですよ。恋人が二人も出来たんです。
その中の一人が少しだけ別の子を好きだって構わないと思います」

「そういうものかなぁ……」

「はい! 断言出来ます!」

「あはは、そうなんだ」

「はい! ……あ、そうだ、お話するならお茶を用意しますね」

セレナはそう言うと自室の簡易キッチンに行き、お湯を沸かす。

(ユリカと話か……。相談に乗ったりしたことはあったけど、こっちの正体を含めて腹を割った話はしたことなかったしなぁ)


どんな話をするのだろう。


「ユリカさん、お茶です」
「あっ、ありがとー!」

にこやかに微笑んで受け取った。
セレナもテーブルを挟んで座る。

「それで、どんなお話をしましょうか?」
「うん! えっとね! 色々あるけどまずは私とアキトの新婚生活についてかな!」
「新婚生活?」
「そう、未来の新婚生活!」
「あ、ああ……」
「どんなことしてたのかなぁって気になったの。これからそういう風になるかもしれないんだし」
「そうですね」
「あ、でもセレナちゃんがいるからちょっと変わっちゃうのかな」
「そうかもしれませんが、幸せなのは変わりませんよ。私が保証します」

だから何も心配はいらないと微笑む。

「新婚生活ですね……」

軽く虚空を見て頭を整理する。
すぐに口を開いた。

「木連との戦争が終わったあと、アキトはナデシコを降りてラーメン屋をやることになります」

「えー! アキト、ナデシコ降りちゃうんだ!」

「はい、アキトは艦を降りて、ユリカさんとルリちゃんは軍籍に、そしてルリちゃんはミスマル家で引き取ることになって、
それでそのあと、お二人はアキトのもとへ行き、三人での共同生活をします。

「へぇ、ルリちゃんも一緒に? そっかぁ、それは楽しそうだなぁ」

「はい、お三人はとても幸せそうで、楽しそうでした。私もご一緒させて頂いたことがありましたが、それはもう毎日が楽しそうで……。
私は皆さんのその幸せそうなお姿を見ているだけで本当に嬉しくて、心が温かくなって……」

「うんうん、うんうん!」

「それで、三人でラーメン屋台を引いて仲睦まじい生活を営みます。夜は三人で川の字になって寝ていました」

「うわぁ! うわぁ!」

「その後、お二人は結婚することになります。コウイチロウさんが結婚に反対していましたので、
アキトとラーメン対決をして、結果、アキトが勝ち、結婚を認めてもらえるようになりました」

「もう、パパったら! ……でもそうかぁ、そういう風に結婚するんだぁ。プロポーズの言葉は何だったのかなぁ」

「……さ、さすがにそこまでは聞いてません」

「そうだよねぇ」

「はい」

もちろん知っているが言う訳にはいかないし、言いたくもない。

「それでそのあと、新婚旅行に行くわけですが……」

「うんうん! うんうん!」


「…………………………」

「………わくわく、わくわく!」


「…………………………」

「………わくわく、わくわく!」


「…………………………」

「…………どうしたの?」


「その……、それからは」

「うんうん!」


「ええと……」

「うんうん!」


「………………」

「…………ん?」


「…………あの」

「………………」




「……もしかして、私たち、死んじゃう?」

「…………はい」

悲しげに頷いた。

「あ、でも安心して下さい! その原因となった勢力は現時点で結成されないような戦況ですし、何よりもその実行犯だった男は先の作戦で死にました。
それにあの時の原因となった問題は私が全力で対処していますので、前回と同様の結果になる可能性は全くありません!」

「………………」

「今度こそ、お二人は幸せな結婚生活を送ることが出来ます! もちろんその為に私は労を惜しみません!」

「……セレナちゃん」

「だから安心して下さい!」

「…………うん、そうだね、セレナちゃんが見た未来は悲しいものだったけど、これからの未来は変えられるもんね!」

「はい! 私が必ず、貴方を幸せにしてみせます!」

「う、ぅ……、も、もう! なんかそれプロポーズされてるみたいだよぉ」

「あっ……」

その通りだと思い、頬が熱くなる。

「へへへ、でも、これからユリカとセレナちゃんはアキトの恋人だから、そうなるとユリカとセレナちゃんも恋人同士だもんね!
だったらゆくゆくはプロポーズだってありかもね!」

「……そ、そうですね」

「いつかアキトとセレナちゃんとアキトの三人でラーメン屋台を引いて暮らしたりするのかなぁ?
あっ、そうだルリちゃんもだ!……あれ、ラピスちゃんはどうだったの?」

「ラピスは私と一緒にいましたからお三人の生活には関わっていません。
ですが、もし私もその生活の末席に加えさせて頂けるのなら、その時はラピスも連れて行って良いですか?
あの子は私の妹みたいなものですから」

「もちろん大歓迎だよ! ラーメン屋台引いて五人で生活かぁ! 楽しそうだなぁ!」

「はい! そうですね! 楽しいと思います!」

「えへへ! そうなるように頑張ろうね!」

「はい!」


それからも話は弾み、色々なことを話した。
未来の話、こちらの世界での話、あの時はどういう意図があって行動したのか、あの時の出来事は未来と同じだったのか……。
それにナデシコクルーの話も、ルリの保護者にユリカとミナトが名乗りを上げて最終的にユリカが勝ったこと、ジュンが木連青年将校の妹と恋人になること。
さらにユリカのこれからのことも……、どうしたらセレナみたいな可愛らしく凛々しい、アキトが好きになるような人間になれるのか、
どうしたらもっと自分を磨けるのか、もっともっと人間として成長したい、誰かを守れるような人間になりたい。なれるだろうか?

「もちろんです!」

そんな話をたくさん。
セレナはそれに真摯に応え続けた。


話はさらにさらに弾み、ふとした切欠でピンクゾーンへ……。


「それで……、その……、セレナちゃんはアキトと……、そういうことはしたの?」
「……えっ?」

顔を真っ赤にするユリカを見て、言葉の意味をすぐに察した。

「初めてはやっぱり……、お星さまの見えるホテルとか……」
「あ、……あの」

まあ事実と言えば事実だが……。
しかし本当の初体験と言えば……。

(これに関してもう嘘をついたり誤魔化したりするべきじゃないよな)

今さらアキトとの関係を隠す必要は無い。
むしろ隠すと後々ユリカの心証を悪くする。

「ええと、確かにアキトとそういう関係になったのは先日の失踪事件のときです」

彼が自分のミスのせいでセレナを傷つけてしまった、汚させてしまった、と思って死のうとした一件だ。
それを解決する方法としてセレナはアキトに罰を与え、その過程で告白を受け、行為に至った。

「ふわぁぁ……、セレナちゃん、大人だぁ」

真摯に顛末を語るセレナを尊敬の眼差しで見つめるユリカ。
その頬も耳も赤いが、それでも好奇心は抑えられない様子。

「ただ……、本当の初めてといえばご存知の通り、先日の拉致事件の際に敵に受けた陵辱が初体験になります」
「えっ、……あっ」

顔を一気に蒼くする。
報告書で見たのを思い出した。

「うぅ……、ごめんねセレナちゃん! だからユリカは駄目なんだよぉ! もう、バカバカぁ! ユリカのばかぁ!」

「き、気にしないで下さい! あれは終わったことです。それにそういう屈辱にはなれていますし、あの事件が切欠で未来の悲劇の芽が摘めたのです!
先ほども言いましたが、例の作戦によってイツキがあの悲劇の実行者であったはずの者を殺害しました。ですからむしろ私はあの事件があって良かったと思っています。
さらに木連とクリムゾンの繋がりを早期に証明出来たことにより戦況も遥かに有利になっていますから!」

まさかの敵性勢力との繋がりが発覚したクリムゾンはもはや企業としての体裁を保つのは不可能と言われている。
すでに自身の持つあらゆる企業分野をネルガルを始めとしたライバル会社に吸収されていくのを避けられない情勢だ。
そしてクリムゾンの援助が途絶えた木連の戦力にも大打撃を与えることは間違いない。

世論もほかにクリムゾンのような敵に通じた企業はいないかと気を荒立たせている状況で、
恐らく秘密裏に支援している者も簡単には力を貸せないだろう。
木連のさらなる弱体化は避けられないはずだ。

「私を拉致することは確かにあちらにとって起死回生の一手でしたが、奪取されることによって致命傷になりました。
そしてその傷を負わせることで未来の悲劇の芽を摘めた。……ならば私は今回の件が起こって本当に良かったと思っています。
多少の屈辱を受けただけでユリカさんやアキトを守れたんですから、これほど嬉しいことはありません」

「……セレナちゃん」

「ですから今回の件は、私は凄く良かったと思ってるんですよ?」

セレナイトは念を押すようにその言葉に一切の嘘はないと言って笑った。

(やっぱり凄いなぁ……、セレナちゃんは)

自分には絶対に真似出来ないとユリカは思った。

(アキトが好きになるのも分かる。……でもセレナちゃんはそのアキトよりもユリカを好きでいてくれてるって言った)

頬が熱くなる。

(アキトのことは大好き! 今でも本当に大好き! ……だけどセレナちゃんも同じくらい……。
どうしてだろう、セレナちゃんにもアキトと同じくらい大好きな気持ちが溢れてくる。まるで女の子の……、大人のアキトみたいな匂いが)

鋭い!

「ねぇ、前にセレナちゃんはユリカのお姫様! ……って言ったでしょ?」

「あ、は、はい……」

「アキトは王子様でセレナちゃんはお姫様、二人ともユリカにとって大切な人。
それになんかセレナちゃんってアキトと同じ匂いがするっていうか……。
ユリカ……、セレナちゃんのこと、アキトと同じぐらい好きになれると思う」

「そう……、ですか。……だとしたら凄く嬉しいです。私もユリカさんのことが大好きですから」

「……えへへ」

照れて、笑って誤魔化したがユリカの胸はドキドキして破裂しそうになった。

「あ、あの、それでね? セレナちゃんはアキトともうそういう関係になっちゃったでしょ?」

「はい、ユリカさんを差し置いて申し訳ないですが」

「ううん、良いんだ! 事情が事情だし! でもさ、二人だけそういうことしてユリカだけ除け者っていうのも酷いと思う」

「そ、それは……」

「本当はそういうことは結婚してからって思ってたけど、でも二人だけそういうのを経験してユリカだけしてないってズルイと思う。
アキトもユリカとそういうことしたら少しはユリカのこと好きになってくれるかもしれないし……」

「そういう考えでそういうことをしたいと思うのは私は良くないと思います。
アキトは必ず貴方を好きになります。ですからこの段階で身体で惹きつける必要などありません。
ユリカさんのプロポーションは凄く魅力的ですが、人柄もそれに負けないぐらい魅力的です。
だって私が他の誰よりも貴方に好意を抱いているんですよ? 自分で言うのもなんですが、
月光の戦乙女と言われている私が、他の誰よりも貴方が好きで、この世で一番幸せになって欲しいと思っているんです。
この私にそこまで想われていることにもっと自信を持って下さい!」

「……えへへ」

「分かりましたか?」

「はい! 了解しました! セレナ師匠! ビシッ!」

そう言って敬礼した。

「ふふふ……」
「あはははは!」

お互い面白そうに笑う。
まるで仲の良い姉妹のようだ。

「えへへへへ……、でもやっぱりユリカも同じことしたいな」
「えっ……」

「セレナちゃんとアキトと三人でそういうことしたい。三人で愛し合ってみたいの」
「そ、それは……」

「アキトに好きになって欲しいっていうのも少しあるけど、それよりも大好きな二人と一緒になりたいなって。
二人はもう先に経験しちゃってるし……、私の大好きな王子様とお姫様だけは……。
だからそこに私も入りたい! 二人の中に入れたら何かが変わると思うんだ。強くなる切欠になると思う。
セレナちゃんみたいに誰かを守ろうとか、何かをやり遂げよう、っていう信念が生まれると思うんだ」

「ユリカさん……」

「それでも……、駄目かな? ユリカにはまだこういうこと……、早い?」

「………………」


しばしの沈黙。


………………。
…………。
……。


「いえ、ユリカさんが強くそう思うのであれば、私は賛成します。
そうですね、愛のある触れ合いは必ず人を変えます。ユリカさんなら愛を知ってますます魅力的になると思います」

「セレナちゃんもそう思う!?」

「はい!」

「じゃあ早速今からアキトのところに行こう!?」
「今からですか?」
「うん! 善は急げって言うでしょ? こんなワクワクした気持ちじゃ眠れないよ!」
「……ふふ、分かりました」


「では、これからアキトの部屋に行きましょう。
あ、でもその前にシャワーを浴びていった方が良いと思いますよ。
初めてですから身を清めたほうが気持ちの整理が付きますし」

「あ、そうだね! セレナちゃんも一緒に入ろう!?」

「え? ……あ、ちょっと!」

無理やり連れていかれた。











アキトは布団の上でAVを見ていた。
目の前では裸の男女が激しい官能の声を上げている。

と、同時にアキトの右手は小気味の良いビートを刻んでいた。

「セレナイトさん! セレナイトさん!」

画面内の男と女を自分とセレナイトに見立てる。
女優は可愛いが、セレナイトと比べれば月とスッポン。
それでも今はどうにしかしこの欲望を解消したかった。
本来ならいつも通り、セレナイトと甘い一夜を過ごせるはずだったのに、諸事情により中止。

代わりにセレナとユリカ、二人と恋人になるというハーレムルートに突入した。
一人の漢としてセレナとの純愛に尽くしたいという誠実な想いがあるが、一人の男として二人の女をモノに出来るという幸福感もある。
なかなかに複雑な感情だ。

だがセレナがそれで良いと言っているのだから、アキトが何か異議を唱えることなど出来るはずがない。

「でも……、やっぱり凄い人だな」

手の動きが鈍る。
セレナの過去を知った。その過程で生じた彼女の信念、生き様を知った。
そしてそれをもとに歩んだ彼女の戦いは自分が間近で見てきた。

……凄い。

この一言に尽きる。
壮絶な過去と信念のなかでセレナイトは戦ってきたのだ。
皆の幸せのために、悲劇を繰り返さないために……。

「そしてそんな人がオレのものに……」

月光の戦乙女と言われる美少女英雄が自分の恋人。
しかも人類の希望とまで言われているナデシコの美少女艦長までも……。

これから一体どんな日常が待っているのか……。

「あっ……、やばっ、……イクっ」


二人の裸体と戯れる妄想をしてしまい、いっきに射精感がこみ上げてきた。


「アキト、入るぞ」
「アキトー!」


「うっ、えっ?」

ドピュルル! ドピュルル!

焦ったものの、一度せり上がったものは止められない。
ティッシュで抑えることも忘れ、アキトの怒張から噴火した白きマグマは見事に空中を舞った。

「………………」
「……あ、アキトぉ」

「あっ、……あっ、……あっ」


とても気まずい三人。
セレナは呆れた表情。ユリカは両手で顔を押さえ、指の隙間からアキトを覗く。
覗かれてるアキトは呆然として絶頂時の腰を浮かせた情けない姿のまま硬直。

「まあ、お前はまだ若いからな。一人でしたい時もあるだろう。
さて、それよりも話がある。汚れたところを拭いて、ズボンを穿いて一旦座れ」

ここで事態を深刻にする必要はない。
つとめて普通に接することで気まずさの解消を図った。

「ユリカさんもそこに座って。…………アキト、いつまでも固まってないで早くそれをしまって精液を拭き取れ!」
「は、はいっ!」
「……精液」

ユリカが顔を赤くした。
起動再開したアキトが慌ててズボンを穿き、床に散らばった精液をティッシュで拭く。

「よし、終わったらそこに座れ」
「はい!」

弟子に相応しい機敏さで正座した。

「ではここにきた用件を言う。
今まで私とユリカさんは私の部屋で色々な話をしていた。
今までのことやこれからのこと、様々なことだ。
お前と恋人になった私たちはどういう風にすれば良いのか、などな」

「はぁ……」

やはり二人は恋人。夢ではなかったのだ。
放出したばかりなのに股間が熱くなった。


「それで色々な話をしていく内に、私とアキトの関係に話が及んだ。
先日、私とお前が肉体的に結ばれ、以降も頻繁に性交渉をしていることをな」

「………………」

顔を赤くするアキト。

「そしてその話を聞いたユリカさんは、自分も是非同じようにしたいと言った」

「なっ……」
「うぅ……」

「私としてはそういう行為は結婚後で良いと思うのだが、ユリカさんは私たちと一つになりたいと……。
そうすることでお前との絆を結び、私との絆も結ぶ。さらにユリカさんが言うには私のような強い信念や、誰かを守りたいという目的を持つ人間になれるのじゃないか、
と思って我々と性交渉をしたいそうだ。私は最初は反対だったが、ユリカさんがそこまで考えているのならと応じた。
だからこれからお前に、ユリカさんと触れ合って貰いたい。もちろん私もサポートしつつ参加するつもりだ」

「あ、あの……、オレの意思は?」

「なんだ? お前、ユリカさんと触れ合いたくないのか?」
「い、いや、そういうわけじゃないですけど」
「だろう? そんなこと冗談ででも言ったら殺すぞ?」
「ひぃ!」

鋭い眼光で射抜かれてアキトは身を竦ませた。
セレナはユリカのためなら鬼になれるのだ。

「セレナちゃん、そんな風に脅したらアキトが可哀相だよぉ」
「あ、ご、ごめんなさいユリカさん」

途端にしおらしくなる。

「こ、コホン……、とにかくこれからお前には頑張って貰うからな」
「は、はい!」
「よろしい。……ではユリカさん」
「ぅ、うん……」


期待と不安に揺れる瞳でアキトを見つめる。

「ゆ、ユリカ……」

戸惑いの瞳で返すアキト。

「アキトは……、ユリカとそういうことするの……、イヤ?
まだそこまで好きじゃない?」

「そ、そんなことないさ! オレはべつにユリカのこと嫌いだったわけじゃないし!」

「……だったら」

静かに目を瞑った。

「うっ……」

キスを待つユリカを見て硬直する。
本当にこのままユリカとして良いのだろうか?
セレナイトは何も思わないのだろうか?

「おい、アキト」

セレナが接近し、耳元で囁いた。

「お前、私で散々練習しただろ? だからそのテクニックをもってユリカさんを精一杯愛せ。
もし適当にあしらいでもしたら本当に殺すし、お前とは別れる」

「ひえっ?」

殺して別れる!?
どういうこと!?
殺されたら強制的に別れるやん!

だがセレナの言葉でどれほど深刻な状況に自分が置かれているかは分かった。
失敗は許されない。半端な気持ちは許されない。

「ごくっ……、ユリカ……」

唾を飲み込み、覚悟を決める。
目の前で身体を震わせて目を閉じるユリカ。
その肩に手を乗せる。

「あ、アキトぉ……」
「ユリカ……」

徐々に二人の顔は近づき……。

「………………んっ」
「んっ」


唇が接触した。


(ユリカ……、良かったね)


セレナイトはその瞬間を感動とともに見つめる。
ついにユリカの願いが叶ったのだ。


「んっ……」
「んぅ……、んぁ」

とても落ち着いた優しいキスが続いている。
ユリカは頬を上気させてアキトの感触に浸っている。
夢見心地であろうことが伝わってくる。


「……んはぁ、……ユリカ」
「アキトぉ……」

一旦、唇を離す。
お互い見つめあう。

「……んっ」
「んむっ」

再度、口付けをした。


(幸せそうだな、ユリカ……)

嬉しそうにその様子を見つめるセレナイト。
ユリカが嬉しければセレナイトも嬉しい。
幸せなら、なおさら幸せ。

(でも、……居づらいなぁ)

他人の逢瀬に立ち会っている気まずさのようなものがある。
サポートするとは言ったが、むしろ邪魔になるのでは?
このまま最後まで一緒にいるべきなのだろうか。

「ユリカ……、胸、触って良い?」
「……ぅん」

徐々に事態は進展している。
アキトはゆっくりとその手をユリカの胸に這わせる。
シャツ越しにふくよかに隆起する彼女の胸に触れた。

「ふぁ……、んぅ」
「……す、すごい」

手が沈み込むような柔らかさ。
そして押し返すような張りもある。

(ふふふ、ユリカの胸は気持ち良いんだぞ!)

自分もかつて何度も堪能したものだ。

(それに意外に感度も抜群だからな。可愛い反応が見れるし)

「んっ、……あっ、……くぅぅ」

押し殺すような声、いつもの天真爛漫さとは違った色のついた声。

「くっ、ぅぅ……、ひぃん!」

乳首を指先で転がされて鋭い声を漏らす。

「……ユリカ、……可愛いよ」

そう言って首筋にキスを這わせながら、胸への愛撫を続ける。


(よし! 良く言ったアキト! その台詞は合格だ!)

おかげでユリカの声が更に甘くなった。

(私とのセックスの賜物だな! なんだか愛撫に余裕があるぞ!
うん! そのまま優しく熱く続けるんだ!)

アキトは胸を揉み、お尻を撫で、キスを浴びせている。

「あぁ……、アキト、……凄いよぉ、……気持ち良いよぉ!」

ユリカは不断にもたらせる快感に身体を、足を震わせる。
それに気がついたアキトはさりげなくユリカの身体を抱きしめ、
体重を自らに預けさせ、足元の布団に座らせる。

「んちゅ……、んっ……、んんぅ……」

優しいキス、胸への愛撫を続ける。
ユリカの瞳は潤み、涙すらこぼれている。

(うんうん、気持ち良いみたいだねユリカ。……いつもは積極的でも夜は意外にしおらしいんだよなユリカは。
あの頃、最初は私もテクニックがなかったからお互い凄く大変だったけど、今のアキトは私と経験したお陰でそれなりに余裕がある)

「アキト……、アキトぉ……、ユリカ、変になっちゃうよぉ……」

(もともとの感度は良いし、精神的に気持ち良くなるタイプだから大好きなアキトの愛撫で感じないはずがない)

「ユリカ……、んっ……」

「アキトぉ、……あっ、……んっ、んっ……、ふぁぁぁぁぁ!」


(軽く達したか……)


ユリカが硬直と痙攣を繰り返した。
それを助けるようにアキトはユリカを抱きしめる。

「あっ……、あっ……、くぅぅぅぅ」

その優しさによって更に快感を助長される。


(うんうん、良いね! ……あれをやられると私も弱いんだよな)

絶頂の瞬間に優しく抱きしめられると恍惚感がさらに増す。
アキトに責められて達するとき、悔しいがそれで何度も気をやられてしまう。

(私との経験からくるテクニックだな)

「はぁ……、はぁ……、はぁ……」
「……ユリカ、……んっ」

快感の余韻にひたり虚空を見つめるユリカに優しいキス。
そして静かに彼女を横たえる。

その流れで寝巻きの下を脱がそうと……。

「ぁぅ……、は、恥ずかしいよぉ、アキトぉ」

膝を立ててガードした。

「えっ……、で、でも」

困ったように呟く。
助けを求めるようにセレナを見た。

「………………」

何も返せなかった。
だがどうにかしなければならない。

「あ、あの、ユリカさん、……恥ずかしいのは分かりますけど、それを乗り越えないとその先には」

「うぅ……、でもぉ」

「ユリカさんの身体はとても綺麗なんですから積極的にアキトに見せるべきですよ?
そうしたらもっと興奮すると思います。アキトはスケベ野郎ですから」

「なっ、セレナイトさん!」

「事実だろう? 私にやっていることを考えれば……」

「………………」

ぐぅの音も出ない。

「ほら、ユリカさん」

「うぅ……」

「ユリカさん……」

「じゃ、じゃあセレナちゃんも脱いでよぉ。……そしたらユリカ、頑張れると思うから」

「えっ?」

「セレナちゃんも裸になって隣にいてくれたら恥ずかしさが薄れると思うから」


「……ユリカさんがそう言うのなら」

「……え、良いの?」
「はい、ユリカさんの望むままに」

セレナイトはそう言うと躊躇なく寝巻きを脱いで裸になった。
漢のような潔い脱ぎっぷりだ。

「もうすでにアキトには見られていますし、色々と恥ずかしい目にもあってますからこのくらい……」

「………………」

「では私は脱ぎましたので、次はユリカさんの番ですよ」
「あ、ぅぅ……」

「アキト……」
「は、はい!」
「脱がしてあげろ」
「は、はい!」

「ま、待って! まだアキトは脱いでないよ!」
「え、オレ!?」
「うん、アキトも脱がないと不公平だよ!」

「………………」

困ったようにセレナを見た。

「……さっさと脱げ」

射抜くような視線を受けた。

「は、はい!」

慌ててシャツを脱ぎ、パンツ一丁のそれを脱いだ。
ブルルン! ユリカへの愛撫とセレナの裸体を見たことで最強にお怒りになったモノが勢い良く飛び出してきた。

「きゃ!」

ユリカがその凄まじきものを見て悲鳴を上げる。

「な、なにそれ……。子どもの時と全然違う……」
「今日は特に大きいな。……それだけユリカさんとの行為が嬉しいんだな」

ユリカの身体を堪能してること、さらにセレナの裸体があることなどが要因だ。

「えっ……、ユリカのせいでそうなってるの?」
「そうですよ? ユリカさんが綺麗で可愛くて、その身体がとても気持ち良いからアキトは興奮してるんです」

「……えへへ、なんか嬉しい」

「それは良かったです。ではこのまま最後までいきましょう? 二人が一つになって愛し合うのです。
それはもっと嬉しくて気持ち良いことなんですよ?」

「……ぅん」

期待と恥ずかしさに満ちた表情で頷いた。

「じゃあ、脱がすぞ? ユリカ」
「……うん」

今度は抵抗しない。
二人が躊躇いもなく脱いだことで羞恥心が低減された。

まずは上から……。
寝巻きのボタンを外して外気に晒す。

プルルン!

「い、いやぁ……」

まるでプリンのような弾力に溢れた乳房が露になる。
その頂きの先端は淡いピンク色である。

「うぅ……」

無意識に両腕で胸を隠す。

「とっても綺麗ですよ。それに形もとても良い。羨ましいです」
「そ、そんな……」
「ほら、アキトだって興奮してます」

見れば呼吸するのも忘れたように胸を凝視している。

「あ、アキト……、そんなに見ないでよ」
「あ、ご、ごめん!」

慌てて目をそらした。

「ふふふ、では次に行きましょう。……アキト」
「は、はい!」

スルリ、今度は下を……。
下着が露わになる。クロッチの部分が濡れているのが見て取れた。

「……あぅ、恥ずかしいよぉ」

両手で顔を押さえるユリカ。

「大丈夫ですよ? 凄く綺麗です」

セレナイトが優しい声で言って、ユリカの頭を撫でた。

「うぅ〜、セレナちゃ〜ん」

助けを求めるようにその手を握る。

「私がついています」

微笑んでそれに応じた。

「ユリカ、腰を少し浮かせて」
「う、うん」

下着に手が掛かった。そのまま相手を慮るような動作でそれを降ろす。
なし崩しの覚悟のなか、ユリカの秘所が明らかになる。

「……う、ぅぅ」

目を瞑って恥ずかしさに震える。

「…………き、綺麗だ」

アキトが言った。
髪の色と同じ紺色掛かった若草が薄く生え、それが少し濡れて淫靡さを醸し出している。

「綺麗ですって、ユリカさん」
「う、うぅ……」

顔が真っ赤だが満更ではない様子。
セレナの手を握る力が強くなっている。

「せ、セレナイトさん……、どうすれば」
「挿入の前にすることと言えば決まってるだろ? 愛情を込めてな」
「は、はい!」
「ユリカさん? ……アキトにそこを舐めさせても良いですよね? 挿入の前に充分にほぐさないといけないですから」
「え? 舐める? ……どこを?」
「そこです」

目線で教える。

「え、……え? ……えぇ!?」


「そ、そんな、舐めるってどういうこと!? そんなことしないといけないの!?」
「挿入する前にほぐさないといけませんからね。しかも初めてなら尚更です」
「で、でも……、そんなの、汚いし」
「ちゃんとシャワーを浴びたじゃないですか。それに男は女性のそこを舐めるのが大好きなんですよ。好きな人のなら尚更ね」

「……へ、変態だぁ」

「なぁ、アキト?」

セレナが目線で訴えた。

「は、はい! ユリカのあそこ、舐めたいです!」
「あぅぅ」
「ですって。好意を持っている女性のあそこは舐めたいものなんです」
「こ、好意……、アキトはやっぱりユリカが好き。……だからユリカの……舐めたい?」
「そうです。ですからアキトに身を任せて下さい」

「…………うん、分かった」

「よし、アキト、お前の想いを全てぶつけろ」
「は、はい!」

頷いてユリカのそこに顔を近づける。

「ぁ、……ぁぁ、アキトぉ!」

股間に大好きな人の顔が近づいてくる気配。
恥ずかしくて死にそうになる。

無意識に閉じていた足を優しく割り開かれ、息遣いがすぐそこに……。
鼻息が股間に掛かる。

「ふぁぁ……」

そのくすぐったさと恥ずかしさでユリカの身体が震える。

「大丈夫です。私がいます」

セレナイトが手を握って勇気付ける。

「ユリカ……、いくぞ」

アキトが呟き、秘所に舌を……。

「ひゃん!」

一舐めされただけでユリカの声が跳ねた。
それを合図にアキトの舌はユリカの秘所を啜るように這った。

「ふぁぁ、あ、アキトの舌がぁ! ナメクジみたいに! あったかいナメクジみたいにユリカを舐めてるぅ! ひぁぁ!」

初めての感覚に慄くユリカ。
それでもアキトの舌はユリカを優しく蹂躙する。


「うぅ……、うぅ……、うぅ……」

激しい快感に耐えようとするユリカ。
そうしないとどこかに意識を飛ばされてしまう。
そんな気がした。

「うぅ……、くっ……、ぅぅ」

「ユリカさん、我慢しなくて良いんですよ? アキトに身を任せて、快感に身をゆだねて下さい。
そうすれば二人はもっと深く触れ合えるんですから」

「で、でもぉ! でもぉ!」

「その気持ちよさはアキトが与えてくれた愛情です。それを受け入れて下さい」

「あっ、あぁ……、そんな! アキト! アキトぉぉ!」

意識が変わった。
抗い、もがくのではなく受け入れる。
その瞬間、快感が全てユリカの中へ……。

「あっ……、あっ……、来るっ、なんかきちゃうよぉぉ!」
「ユリカさん!」

セレナイトが強く手を握る。
アキトはクリトリス周辺を食むように啜り上げた。

「ひっ! いやぁぁぁぁぁぁぁぁ!」

ビクン!
身体が反り返った。

「ふぁっ! ぁぁっ! ぁぁぁぁぁぁ!」

小刻みに痙攣する。

「ユリカさん……」

慈しむように手を握り続けるセレナイト。
絶頂の余韻をフォローするように優しく傍に寄り添い続ける。




「………………」

アキトは顔を上げてその様子を眺めていた。

(本当に女神みたいな人だな、セレナイトさんは。それにユリカも凄く可愛かったし……。
今までずっと積極的にオレのこと追い掛け回してたのに、こういう時は全然消極的で恥ずかしがり屋で……。
なんかすげぇ可愛い)

ユリカの新たな一面を垣間見た。
そしてそれはとても好ましいものだった。

「落ち着きましたか? ユリカさん」
「はぁ、はぁ、はぁ、はぁ……、うん」
「どうでした? 気持ちよかったですか?」
「……う、うん、身体がフワフワして無理やりどこかに連れてかれるような感じで……、頭が真っ白になった」
「ふふふ……、それが絶頂です。大好きな人によって導かれる気持ちの良い感覚です」
「絶頂……」

「はい。……アキトの好きとユリカさんの好きが混ぜ合わさって生まれた快感なんですよ」

「…………へへ」

「ふふ……、さぁ、これで準備は出来ました。あとはクライマックスです」
「クライマックス……」
「貴方とアキトが一つになるんです」
「一つ……」
「はい。……アキト」

「は、はい!」

「優しくな?」

「はい!」


すぐに体勢を変える。
正常位の形に……。

「うぅ……、これも恥ずかしい」

足を開かれ、アキトの腰がグイッと自分の近くに押し込まれている状況。
恥部と恥部がすぐ近くで対面している状況。
しかもアキトの怒張がギンギンなのも分かる。自分を征服しようとする意気で満ち溢れているのだ。

「なんか怖いよぉ……」

征服される恐怖、初体験の恐怖、破瓜の恐怖がユリカを襲う。

「セレナちゃん……」

不安げな表情でセレナを見上げる。

「大丈夫です、私がついてます」

頭を撫で、頬を撫でる。
それだけでユリカの心が落ち着いていく。

しかしまだ心細い。

「セレナちゃんも横になってユリカを抱きしめてて? そうしたらユリカ、怖くなくなると思うから」
「横に……、ですか?」
「うん」

「分かりました」

快く応じて横になった。
そしてそこでユリカに寄り添い、その手を握る。

「セレナちゃんの身体温かいしスベスベ……、それに落ち着く」

身体を少しだけ捻って抱き合うように触れ合う。
セレナもそれに応じる、お互いの胸が軽く潰れるように密着した。

(す、凄いエロイ)

二つの美乳が交わる様子を眺めるアキト。
極上の美少女二人の美乳である。しかもその美乳は自分のモノでもある。

ビクン! 怒張が跳ねた。

「きゃん!」

それがユリカの秘所を掬い上げるように撫でた。

「ご、ごめん!」
「ぅ、ううん! いきなりで驚いただけだから!」
「アキト……、優しくするのは良いが無意味に驚かせるな」
「す、すみません!」
「セレナちゃん! 大丈夫だから! これでなんか緊張が解けた気もするし!」
「……それなら良いんですが」
「う、うん! 良い! 良い!」

「ではあとはユリカさんのタイミングで……と言いたいところですが、
初めては多少の痛みを伴う場合が多いですから、アキトに強制的にやって貰った方が良いでしょう。
アキト、多少の痛みは仕方ないから、それでも出来る限りの優しさでユリカさんの中に入れてくれ」

「わ、分かりました!」

「うぅ……、やっぱり怖い」
「大丈夫です。私がついてます。アキトもついてます」
「そ、そうだね……、二人が居てくれるもんね」
「はい!」

「ユリカ……、優しくするからな」
「……うん! ありがとうアキト! 大好き!」

「お、オレも……、好きだ」

「ふぁ!?」

「い、行くぞ!」

誤魔化すように腰を押し付け、怒張をユリカの中へ……。
グニュ……、

「き、キツイ……」

押し返してくるようなその中を進む。

「くっ、……ぁぁ」

ユリカの顔が苦悶に歪む。

「………………」

心配げにそれを見つめるセレナイト。

「頑張って、頑張って……」

ユリカを抱きしめるように寄り添いながら言った。

(あの時のユリカもそうだったよな……。オレも初めてだったから下手糞で、ユリカも凄く痛かったみたいだから何度も失敗して……。
結局その日は諦めて、一週間後の再チャレンジして、そのときにやっと出来たんだ)


(でも今のアキトは私との経験があるからある程度の痛みは仕方ないとしても、それなりの手際でやってくれるだろう)

見ればアキトはユリカの表情を窺いながら慎重に怒張を進ませていっている。
時折り苦悶の声を漏らすと動きを止め、少しして再開する、というように思いやりに満ちていた。

(うん、うん……、良いぞアキト! その調子だ!)

心の中で声援を送るセレナ。
もし口に出して褒めていればアキトのやる気はさらに上がっただろう。

「くぅ……、うぅぅん!」

さらに怒張はユリカの中に沈み込み……。

「は、入りました」

あっけなく最後まで入った。

「……えっ?」

セレナが意外そうな声を出した。

「もう? 入った?」
「は、はい」

起き上がって接合部を見ると確かに陰茎が根元に近い部分まで挿入され、また破瓜による血も確認できた。

「ユリカさん……、痛くない?」
「はぅぅ……、く、苦しいけど、痛くはないよ」
「そ、そう……」

(痛くないのは良かったけど複雑だ。……これだとあの時の私が壮絶に下手糞だったってことじゃないか)

プライドを打ち砕かれた気分だ。

(ま、まあ良いか……)

それよりも今はユリカのことに集中しよう。

「なんだか不思議な気分だよ……。いま、ユリカとアキト、一つになってるんだね」
「……あ、ああ」

「嬉しいなぁ……、えへへ」
「………………」

「やっと王子様と一つになれたんだ」
「……ユリカ」

「アキトぉ……」
「ユリカ……」

「これからも、ずっと一緒にいてね?」
「ああ、ずっといる」

「……セレナちゃんも一緒にね?」
「は、はい、ユリカさんが望む限り」
「だったらセレナちゃんはずっとユリカといないといけないねっ。ユリカはセレナちゃんにずっと居て欲しいから」
「……そうですか。ではずっと一緒に」
「うんっ」

笑顔で言った。

「アキト……、もうだいぶ苦しくなくなったから動いても良いよ? このあと動くんでしょ?」
「そうだな」
「だったら動いていいよ」
「分かった」

「あ、アキト、優しくな?」
「分かってます」

頷いて律動を開始した。

「ふぁ、あっ……、あっ……、あっ……」

ズチュ、ズチュ、ズチュ……、

ゆっくりと優しい、それでいて甘い刺激を送り届けるような抽挿を開始するアキト。

「あっ……、あっ……、あっ……くぅぅ」

初めてにも関わらず、ユリカから漏れ出てくる声には明らかに快感に染まった色があった。

(さ、さすが女殺しのアキト……。巧い……)

自分もあの甘い抽挿にやられたクチである。

「ユリカさん……、痛くないですか?」

「んっ、……ふっ、……んっ……、うんっ……、だ、大丈夫」


ズチュ、ズチュ、ズチュ……、


「ひぃあ! あっ……、あっ……、あっ……、む、むしろ、気持ち良い、……っと、思うっ」

反応がそれを物語っている。

「これが、あっ……、一つになる、って、んっ……、こと、……あっ、……なんだね」

ズチュ、ズチュ、ズチュ……、

「アキトっ……、嬉しいよ、……嬉しいよぉ!」

「……くっ、ユリカ!」


ズチュ、ズチュ、ズチュ……、

動きが激しくなった。

「お、おいアキト、少し強すぎじゃ」
「大丈夫! ……セレナちゃん! 大丈夫……、だよ!」

手を握り、セレナイトの目を見て言った。

「ふっ……、うぅ! ……せ、セレナちゃんも、ありがとう……、ね。 ……ユリカのために、ひぃぁ! ……こ、こんなにしてくれて」
「いえ……、私は貴方が大好きですから……。貴方が幸せならそれで嬉しいんです」

手を握り返し、微笑んだ。

「ふぁぁぁ! あっ、あっ……、ど、どうしよう、嬉しくてどんどん気持ち良くなっちゃうよぉ!」

「もっともっと気持ち良くなって下さい。私とアキトは、貴方のためにいるんですから」

「あぁ! やっ、……だめ、だめぇ! そんなこと言われたら! あっ、あっ……」

声が徐々に高くなっていく。

「だめだめだめ! さっきの来ちゃう! うぁぁ! また気持ち良いのきちゃう!」


ズチュ、ズチュ、ズチュ……、

「あっ……、あっ、ああっ……、くぅぁ……、あぁぁぁぁぁぁ!」


そしてついに達したようで身体を硬直させた。

「うぁ! きっつ!」

怒張への締め付けも激しいものになり、それに耐えられずアキトも射精する。

「ふぁ! 熱いぃ! お腹に熱いのが! ……うっ、あぁ! いい! あついいいぃぃぃ!」

精液が子宮に触れる恍惚感に、さらに高い快感の次元に昇り詰めるユリカ。
しばらくは放心したように快感に浸り、痙攣を繰り返す。

アキトも射精の快感と気だるさに浸り、ユリカに覆いかぶさるように倒れた。

「んっ……」

アキトの重さを嬉しそうに受け止めるユリカ。
すぐに手を回してアキトを抱きしめた。

「……えへへ、アキト、気持ちよかったよ」

そう言って胸元にあるアキトの頭にキスをした。

「セレナちゃんも手を握ってくれてありがとうね。大好きって言ってくれてありがとうね。
ユリカ、それで凄く気持ち良くなっちゃったよ」

横を向いてセレナイトに言った。

「いえ……、どうでしたか? 素敵な初体験になりましたか?」

「うん! 大好きな人に囲まれて、凄く優しくしてもらって……、本当に素敵だった」

本来なら愛する男と女が相思相愛となってこういう行為に至るものなのだろうが、
いまのこの三人の関係、……正常とは言えないがそれでも最高の関係で、最高の初体験だったように思う。

「そうですか……、それなら良かったです」

安心したように言った。

「うん……、本当に素敵で満足したよ。……これも全部セレナちゃんのお陰だよ」
「そんな……、こちらこそユリカさんの幸せそうな笑顔が見れて嬉しいです」
「えへへ、照れるなぁ」
「ふふふ……」

「これで初体験は満足したから、今度は三人で気持ち良くなろうよ」
「え?」
「今はユリカとアキトで愛し合ったからさ、今度はユリカとセレナちゃんとアキトで愛し合おう?」
「そ、それは」
「……駄目?」

「いえ、ユリカさんが望むのなら」
「セレナちゃんは嫌?」
「嫌ではありません。ですがまだアキトと二人で愛し合ったほうが」
「ううん、それはこれからいつでも出来るから。今は三人で愛し合いたいの。ユリカがセレナちゃんと愛し合いたいの」
「………………」

「駄目?」
「……いえ、そういうことならお受けします。私もユリカさんと愛し合いたいです」
「えへへ」

「ではユリカさんはまだ不慣れでしょうから、私が積極的に行きたいと思います。
アキト、お前も私と一緒にユリカさんを責めろ。……まぁ、気になったら私に触っても構わない。
一応、私もお前の恋人ではあるのだからな」

「は、はい! 分かりました!」

ピョンと起き上がり、喜び大爆発。
目の前にセレナの裸体があるのに自由にさわれないのはストレスだった。


「では……、まずはキスをしますね」

セレナイトが言って、添い寝の状態からキスをした。

「んっ……」
「はむっ……」

レズキスの完成。

「……くっ」
「んぅ!」

それを見たアキトの怒張が反応し、ユリカの中で一瞬暴れた。
不意の膨張に声を漏らすユリカ。

「あむっ……、んっ……、んっ」
「んっ、じゅる、……んちゅ……」

軽めのキスからすぐに深めのキスに移行する。
ピチャピチャと唾液交換の音が聞こえて来る。

(ふぁ、セレナちゃんの舌、……柔らかくて甘い)

しかもテクニックも一流でとても気持ちが良い。
身体が浮いているのではないか。という感覚に陥るほど……。

「んちゅ、んっ……、んっ」
「んむっ、ぅん……んっ」

舌がユリカの口内を触り尽くす。
舌同士を絡ませながら様々な場所をなぞる。
特に上顎の部分を舌先でなぞられるとユリカの反応が激しくなる。
痺れるような、くすぐったいような感覚が引き出されて涙さえ流れてしまう。

「んふぅ!」

身体も反応した。

「……んはっ、……はぁ、……はぁ」
「はぁ……、はぁ……、はぁ……、セレナちゃん、キス上手すぎ。ユリカ、天国に行っちゃったかと思ったよ」

「そうですか……。それは良かったです。私も大好きなユリカさんとキスが出来て天国に行ったみたいに気持ちよかったです」

にっこり笑って言った。

「うぅ〜、セレナちゃんはどうしてそんなにユリカを嬉しくさせることばっかり言うのぉ!」

頬を上気させて目を潤ませるユリカ。
もはやセレナは完全に恋心を抱くに値する人間だ。

「だって本心ですから」

(実際、凄く懐かしかったよ)

心の中で呟いた。
ユリカとそういうことをするのは一体何年ぶりになるのだろう。
もう昔過ぎて憶えていない。ただあの至福の感覚だけは憶えているし、今の行為はそれに限りなく近かった。

(ただし、このユリカは私のユリカではない)

もちろん愛情を持っているし幸せを願っていることは間違いないが、やはりこのユリカを本気で愛することは出来なかった。
そんなことをすれば死んでしまったユリカにどう詫びれば良いのか……。過去に来たから未来のあのユリカはなかったことに……。
などということには絶対にならない。未来を生きた自分がいる限り、あの時のユリカはいるし、自分にとってのユリカは一緒の時間を過ごしたあのユリカなのだ。
その彼女を忘れて今のユリカと愛し合う。

それを天国で見られて、悲しげな笑みを浮かべられたらとても耐えられない。

(でも……、精一杯大切にして、幸せにしてあげることに異論はないけどな)

心の操を守るためにわざわざ今のユリカを不幸にする必要などないのだ。
未来のユリカと今のユリカ、セレナにとっては別の存在であるがボソンジャンプの理論的に言えば同一の存在。
ただセレナが誠実過ぎるため、頑なに未来のユリカに愛情と忠誠を抱き、それを貫いているに過ぎない。
そしてそれこそがセレナにとっての贖罪であり、想いの示し方なのだ。

「ユリカさん……」

見つめながら静かに胸を触った。
寝ていても形を崩さないみずみずしさに満ちた乳房。
しかもナデシコ内でも有数の巨乳の持ち主である。

ムニュン……

セレナイトの手にあまる大きさ、そして感触。
手が融けてしまうのではないかというほどに心地の良い感触。

(ユリカの……柔らかさだ)

そして温かさ。

「あん……、セレナちゃん、……子どもみたい」

自身の胸を愛おしそうに揉むその姿はまるで赤子のよう。

「すみません、ですがとても気持ち良くて」
「今度からいつでも触って良いからね? 恋人なんだから」
「はいっ」

頷いてさらに胸への愛撫を続ける。
体勢が苦しかったので起き上がり、覆いかぶさるようにユリカの上へ……。

(うわぁ……、エロい)

正常位の位置にいるアキトの目の前にセレナの臀部がある。
四つんばいで自分にお尻を突き出しているような状態だ。

「ユリカさん……んっ」
「セレナちゃん……んっ」

二人は再びキスをする。
ならば自分はどうすれば良いか……。
アキトは考え、実行した。

「んっ、……んちゅ……、んきゅ!?…… ちょ! アキト!  私じゃなくてユリカさんを!」

「すみません! 目の前にあったからつい!」

しかしやめない。
ズチュルルル! ズチュルルル!
セレナイトの秘所を思い切り吸い上げるように啜った。

「ひぁぁ! ば、ばか! 私じゃないって言って! ふぁぁぁぁ!」

腰が跳ねるように浮き、すぐに落ちた。
四つんばいの体勢を維持できずに座り込む。
アキトの目の前に座り込むように……。

「うわぁ、セレナちゃん、そんな可愛い声だすんだ。なんか凄い!」

ユリカも興味津々といった様子で起き上がり、セレナは二人に挟まれるかたちに……。

「セレナイトさん……」

アキトが背後からセレナを抱きしめる。

「や、やめろアキトっ、私じゃないって何度言ったら」
「セレナちゃ〜ん!」
「ゆ、ユリカさんも! ……んむっ」

キスで塞がれた。

「んっ……、んぅ……、ぁむっ……」

モミモミ……、モミモミ……、

さらに背後からはアキトが胸を揉みしだいてくる。
優しく、いやらしく形をかえ、揉みこまれていくセレナイトの胸。

「んふっ、……ふぅ、……うぅ……」

抵抗の声を出そうにも口をふさがれ、首を振ろうにも頭を両手で固定され、
身体を振って振りほどこうにもアキトに抱きしめられ固定される。
そしてただ蹂躙されていく。

「んっ……、ぁ、ん、……んはぁ」
「ぷはぁ、……セレナちゃ〜ん」

頬を撫で、頭を撫でる。

「おっぱいがモミモミされて……、すっごいかたちが変わってなんかエッチだね」
「……み、みないでください」

さすがに自分が貪られている姿を見せるのは恥ずかしい。

「あ、アキトもいい加減に……。私じゃなくてユリカさんだと」
「いいよいいよ。次はセレナちゃんの番だよ。それにユリカ、他の人のそういうの見てみたいし」
「………………」
「アキト……、セレナちゃんにもユリカと同じことしてみて」
「分かった」
「アキト!?」
「すみません、だけどユリカの願いはセレナイトさんの願いですし、オレも貴方としたいです」
「うっ……」
「ほら、ユリカのことは気にしなくて良いから。……ユリカは勉強させて貰うよ」

セレナちゃんを触りながらね。と、悪戯っぽく微笑んで言った。

「……うぅ、分かりました」

退路を塞がれてはどうしようもない。
渋々と頷いた。

「じゃ、じゃあ入れますね! セレナイトさん!」
「……ああ」

仕方なく腰を浮かし、背面座位に近い後背位の体勢になり、アキトの怒張を待ち構える。

「いきます」
「……うん」

クチュ……、すでに準備は整っているようだ。
クニュン……、アキトも慣れたものですぐに照準を合わせる。
ズニュニュン……、亀頭が飲み込まれていく。

「くぅ、ぁぁぁあああ」

泣くような可愛らしい声を漏らすセレナイト。

「うわぁ……、セレナちゃん、可愛い」

うっとりとした様子でユリカが言った。
セレナは小さく啼きながら、膣に甘い異物が入り込む感触に耐える。

「うぅ、っ……、ふっ、……あっ……、みないで……ください、ユリカさん……」

懇願するように言った。

「恥ずかしいです。……貴方に見られてると」

激しい羞恥心がセレナを襲う。

「え、嫌だよ。いっつも格好良いセレナちゃんのこんな可愛い顔なんて普段見れないし」
「そんなぁ……、ひぃぁ!」

「全部入りました」

最後に子宮を突かれ、身体を跳ねさせるセレナイト。

「はぁ……、はぁ……、はぁ……、はぁ……」

涙を浮かべてユリカを見る。

「ユリカさん……、見ないで」
「うぅ、可愛いよぉセレナちゃん!」

ユリカも瞳をウルウルさせている。
セレナイトが可愛くて仕方がない様子。

「大丈夫だよ、ユリカがついてるから! ほら、手を握っててあげるからね!?」

そう言って両手をセレナの両手に絡ませる。

「ユリカ……さん」

キュッ……、
弱々しくその手を握り返す。

(うわーん! 可愛いよぉ!)

その仕草、プライスレス!
膝立ちに近い状態で後ろからアキトに貫かれ、前にかけた体重はユリカの両手で支えられる。
快感に惚けた表情でユリカを見つめる。……たまらぬ光景、可愛らしさ。

「動きます、セレナイトさん」

グチュン……、グチュン……、グチュン……、

抽挿が開始された。

「んっ、……はうっ……、うんっ……」

腰を掴まれ操作されるように前後に動かされる。
同時にアキトも自律的に動いて膣を抉っていく。

「みないで……、みないで、ユリカさん」

目の前で一番恥ずかしい行為を見られている。
肉棒に翻弄され、身体を揺すぶられるあられもない姿を見られている。

「うぅ……、うぅぅぅぅぅ、セレナちゃぁぁん」

可愛くて可愛くて仕方ない。
あの凛々しいセレナがこんな姿に、儚げでか弱い少女のような姿に……。

「セレナちゃん、チュウしたい。……していい?」


グチュン……、グチュン……、グチュン……、


「くぅぅ、……ぁん、……あん、……んっ」


「……セレナちゃん?」


「ふっ……、うっ……、んっ、……は、……はいっ」


グチュン……、グチュン……、グチュン……、


「ユリカ、さん……、がっ……したいなら、……、私は、……どんなことでも……、ぅん!」


「私は……、あっ……っ、……貴方が、……大好き、……ですから」

泣き笑いの表情で言った。

「う、うわぁぁ! セレナちゃぁぁん! 可愛いよぉ! 可愛いよぉぉ!、可愛いすぎてユリカ死んじゃうよぉ!」

健気な返答に身悶え、モエモエしてしまう。

「アキトが好きになるの分かるよぉ! ユリカもセレナちゃんが大好きぃ! アキトよりも大好きぃぃ!」

「はぁ、はぁ、はぁ、セレナイトさ……えっ?」

感極まったようにそう言ってセレナを抱きしめるユリカ。
キスよりもまずはセレナの全てを取り込みたい。抱きしめたい。そういう欲求の方が強い。

一方、アキトはさり気なく恋人の心を奪われてしまっていた。
長年自分を好きだった幼馴染があっさり心変わり、NTRである。

「セレナちゃん! セレナちゃぁぁん!」

その豊満な胸にセレナの顔をうずめる形で抱きしめている。
じつに羨ましい状況。

「……くっ」

しかしアキトとてセレナイトの膣(なか)に挿入するという最高に羨ましい状況にいる。
しかもこれはユリカには出来ない所業である。

「セレナイトさん!」

グチュン……、グチュン!

見せ付けるように腰を入れた。

「ひぃん! んっ! ……んっ!」

ユリカに抱きしめられたことで体勢が変わり、抽挿の位置が変化。
さらに強く腰を打ちつけられて快感が電流のように背骨を溶かす。

「だめぇ……、力が、入らない……」

膝を支点にユリカに体重を預けていたがそれすらもままならない。
脱力するように腰を落とし、後方に倒れる。……アキトに身体を預ける背面座位の体勢になる。

「くぁぁぁぁ!? ……深い!」

ズニュルルル!

自身の体重込みでアキトの肉棒を飲み込んだために深く貫かれた。
背筋を鋭利に逸らし、息すら出来ない様子。

「くっ、締まる!」

膣が蠕動運動のような収縮を繰り返す。
先ほど放出していなければ容易く射精していたような強烈な快感。

「セレナちゃん、チュウしよう、チュウ!」

ユリカはうっとりとしてセレナに接近し、無理やりに近い感じで唇を奪った。

「んむっ、……んっ……、んんっ」

抵抗せずに受け入れるセレナ。
むしろ舌を絡ませて積極的にユリカの唾液を貪る。

さらにそこにアキトの抽挿が加わり、

グチュン……、グチュン……、グチュン……、

さらに背後から胸を揉みしだかれ、片方の手でクリトリスを弄ばれる。

「ふぅん!? ……ぅん! ……うぅん! んふぅぅ!」

ユリカの口内に響く嬌声が鋭く激しいものに……。


グチュン……、グチュン……、グチュン……、


「んっ……、んぅぅ! ……きゅふぅん!」


クリトリスをこねられ、乳首を摘まれ、膣壁を擦られ、子宮口を抉られる。
そこにさらにユリカとの甘いキス。

「くぅぅん! んんぅぅぅぅぅぅぅ!」


為すすべなくセレナイトは絶頂へと追いやられた。


「あっ、イク!」

その姿を見てアキトの射精スイッチも入り、熱い精液を中にぶちまける。

「んぁぁぁぁぁっ! ……あっ……、くっ」

子宮口に叩きつけるような射精を受けて甘い痺れが全身に満ち、視界が煌めく。

「あっ……あ、……ぁぁ、……あぁ」

放心したようにぐったりと脱力する。
身体をアキトに預ける。その安心感もまた快楽に変わる。
心を預ける快楽。征服される快楽。

「あぁ……」

甘えるように身を任せる。
アキトの胸に抱かれて眠る美少女の図。

「セレナちゃん……、可愛い」

惚けているセレナを見たユリカが呟き、またキスをする。

(ユリカは……、キスが好きだったものな……)

ぼんやりとした思考の中でセレナイトは思った。

「……んっ、……んはぁ、……ユリカさん、私はもう良いですから、次は貴方の番、です」
「ユリカは充分楽しんでるよ? セレナちゃんとキスするの好きだし、ずっとしてたいし……」
「……ですが今日は貴方のためにこうして居るわけですから」
「じゃあもう一回チュウしよ?」

ユリカがそう言ってセレナの唇に接触。

「んっ……」
「んちゅ!」

もう何度目になるのか分からないキスをする。

「んは……、キスはいつでもします。ユリカさんが望むのならいつでも、どこでも……。だけど今は貴方の大切な時間ですから」
「……えへへ、気を使ってくれてありがとう。……本当にアキトがセレナちゃんを好きになるのが分かるよ」

「そう言って頂けて私も嬉しいです。……ではもう一度アキトと」

ゆっくりと起き上がってアキトから離れる。

ニュルン、

「っ……」

膣から陰茎が抜けるときの感覚に軽く声を漏らす。

「さぁアキト……、もう一度ユリカさんと……、んっ?」

身体を離して彼の股間を見る。……しなびた沢庵のような状態。

「すみません、五分ぐらいしたら回復すると思うんですけど……」

自慰で一回、ユリカで一回、セレナで一回、計3回の大量放出はさすがにキツかったようだ。
もちろん心の底から愛しているセレナのためなら何度でも出せるし、ユリカもいるこの状況なら二日セックスに浸ってもイケると思う。
しかし今は5分だけ時間が欲しい。

「仕方ないな」

納得して頷いた。

「じゃあどうする? それまでチュウする?」

ユリカが嬉しそうに言った。

(また?)
(また?)

セレナとアキトの心の声。

「は、はぁ、それも良いですけど、ここはアキトの回復を早めるための手伝いをしましょう?」
「……手伝い?」

「はい、そうです」

アキトに立つよう促し、自分とユリカを中腰の姿勢にした。
そしてユリカと抱き合った。

「ふぁ? どうしたの? セレナちゃん」
「こうして胸を合わせて、この間にアキトのを挟めてあげましょう?」

俗に言うダブルパイズリである。

「う……、ぁ」

その完成予想図を想像し、アキトの頬が染まった。
ついでに陰茎がピクリと反応した。

「ふふふ、役得だろアキト。……私とユリカさんの胸に挟まれながら扱かれるなんて、お前しか堪能できない快楽だぞ?」

「ぁ、……ぁあ、……ぁ」

興奮と困惑で言葉も返せない。

「さぁアキト、お前のそれをここに入れろ」
「アキト、おいで〜」

二人が胸を重ねあって誘惑する。
月光のように煌めく色白なセレナの美乳。
形が良く、優しさと無邪気さが詰まっているような柔らく張りのあるユリカの巨乳。

その二つが互いに押しつぶし合っていやらしく形を変えている。

「ごくっ……」

萎えていたアキトのソレが早くも半立ちの状態に……。

「い、いきます」

腰を前に突き出し、柔肉のなかにソレを入れる。

ムニュ、ニュニュ……

沈み込むように飲み込まれていく。
しかし滑りが悪いためスムーズにはいかない。
そのせいかセレナ、ユリカの乳房を荒くこねるように突いていく。

「ふわぁ、アキトにおっぱい虐められてるよぅ」
「くふっ……、す、滑らないから無理やり掻き分けてくる。……ひんっ!」
「きゃん!」

二人の乳首を削るように擦った。

「くぁぁ!」

その感触がアキトにも快感をもたらす。
二人の美少女の乳房の感触を同時に味わい、乳首を肉棒で擦る。
夢のような状況。

「う、ぁぁぁぁ!」

グニュン! グニュン! グニュン!

それを最大限、堪能しようと腰を振る。

「くぅぅ! あっ! ふぅっ……」
「あ、アキトぉ! つ、強いよぉ! あぁん!」

「あぁぁっ! ……気持ち良すぎる!」

「ひぐっ! こ、この馬鹿野郎……、乱暴すぎるだろ。……ぃあ! ……あっ」
「おっぱいが熱い! ひゃん!」

グニュン! グニュン! グニュン!

だがアキトはやめない。

「くぅぅ……、この馬鹿、……これじゃあこっちは痛いだけだ!」

サンドイッチ体勢を解除するセレナイト。
これでは肌を削られるようで痛みの方が強い。

「……あっ、す、すみません!」

慌てて腰の動きを止めた。

「相手を思い遣る気持ちを忘れるなといつも言ってるだろっ? セックスは相手を慈しむ行為なんだから。
私が誘った手前もあるからお前だけを責めるわけにはいかないけど、でももう少し気を使ってくれ」

「……すみません」

「分かってくれたらいい。だがこのまま続けても、お前は気持ち良くなっても私たちは耐えられそうもない。
残念ながらローションも用意していない。だからこれはまた今度の機会に取っておこう」

「え、……は、はい」

残念だがセレナがそう言うのだから諦めるしかない。
しかしローションでヌルヌルになった二人の乳房の間に肉棒を出し入れする日がいつか必ず来るなんて……。
最高ですね!

「ひぁぁ、……ちょっとヒリヒリするよぉ」
「ご、ごめん、ユリカ……」

胸をさするユリカを見て申し訳なさそうにアキトが言った。

「ううん、いいよ! ユリカのおっぱいが気持ち良かったからなんだもん! 嬉しいくらいだよ!」
「………………」

「では胸を使っての行為は諦めて、別の方法で行こう。すでにそれなりの準備は整っているようだがな」

見れば怒張が半切れ状態、臨戦態勢に近い大きさに膨張している。

「……アキト仰向けになれ」
「は、はぁ……」

言われるまま横になる。
潜望鏡のように肉棒が屹立した情けない構図。

「あはははは、アキト可愛い!」

ピョコン、となっている面白い状況をユリカが笑う。

「う、うるさい! 仕方ないだろ!」

恥ずかしそうにアキトが言った。
気まずくて縮みそうになる。

「待て!」

ガシンッ!

「あふぅん!」

急に掴まれてさらに情けない声を出した。

「あはははは! あふぅん! だって! アキト可愛い!」
「……くぅぅ!」

さらに恥ずかしそうな顔。

「勝手に収まっては困る。ある程度立ってくれてないと出来ないからな」

セレナは言って、ユリカをアキトの側面に、自身と相対させるような位置に座らせる。
そして股間を自分に向けるようにさせ、自身も同じように……。
そのままお互いの股間を合わせるように接近、中央にあるのはアキトの肉棒。

このままいくとセレナ、ユリカの性器がアキトの肉棒を挟むことに……。
『セレナ、ユリカの貝合わせ with AT(アキト天河)』の完成である。

「うわぁ、これって凄いエッチぃね」

どういう状況になるか理解し、ユリカが頬を染めた。

「こうすれば私たちも楽しめて、アキトも楽しめます」

では始めましょう。
セレナが性器を完全に密着させた。

「んっ……」

アキトの熱さ、ユリカの熱さをもっとも敏感な部分で受ける。
固いものと湿った柔らかいものが自身のそこに密着する。

「あ、アキト……、すぐに出すなよ?」

紛らわすようにそう言って腰を上下に動かし始めた。
ユリカもそれに倣って見よう見真似で動かしはじめる。

クチュクチュクチュクチュ……

「うぁぁぁぁ!」

左右から濡れそぼった性器に擦られる快感は壮絶の一言。
アキトは悲鳴に似た嬌声を上げた。

「ふくっ! ……ふ、ふふ、良いみたいだな。……んっ」
「んっ、んっ、んっ……ユリカも良いよぉ!」


クチュクチュクチュクチュ……


「あぐぅぅ……、こんなの……、気持ち良すぎる!」

むしろこれは拷問だ。
二人の性器に擦られる物理的な気持ちよさもあるが、精神的な気持ちよさもある。
美少女二人に奉仕される喜悦感やその二人が自分の恋人であるという優越感。
世の男の誰もこの二人からの奉仕は受けられない。恋人にはなれない。
自分だけがこの二人と愉しめるのだ。


「あ、あぁぁ、……うぅぅぅぅ!」


クチュクチュクチュクチュ……

クチュクチュクチュクチュ……

クチュクチュクチュクチュ……

肉棒がドロッドロに蕩けそうになるような快感が続く。

「あぁぁ! やばいです! もうイキます!」

腰が跳ねる。
突き出すように……、

「あっ、んっ、……ばか、まだイクなっ! んっ!」
「アキトぉ! セレナちゃん! アキトぉ! セレナちゃん!」

思い思いに叫ぶ。
セレナが腰を引いて戦線を離脱。

「あっ……、あぁぁぁ」
「ふぁぁ!? ……セレナちゃんどうして!? 気持ちよかったのに! もう少しでユリカ、また高いところにいけたのに!」

アキトが苦しそうな声を上げ、
ユリカは若干、怒りすら含んだ非難の声。

「こ、こで終わっては本末転倒です。貴方の中に入れるための準備だったんですから」
「でもユリカ、今ので充分気持ちよかったもん! あともう少しだったもん!」

「で、ですがそれでは」
「それにまだ一回しかしてないから中がちょっとヒリヒリするもん! こっちの方が気持ち良いもん!」
「……し、しかし」
「ユリカこれで良いもん! こっちの方がみんなで気持ち良くなれて嬉しいもん!」

「…………分かりました」

ここで我を通せばそれこそ本末転倒になってしまう。

「では体位を変えましょう? このままでは私たちばかりが疲れてしまいますから。こういう時は男が甲斐性を見せるものですし」

セレナは起き上がり、ユリカの肩を抱いて静かに仰向けに倒す。
そこにさらに自身が覆いかぶさり、腰を落として性器を重ね合わせる。

「これであとはアキトに、この間に入れて貰って動いて貰いましょう。そして私たちはこうして……」

愛を囁くようにユリカの頬にキスをした。

「ふふふ……」
「はぅっ、……セレナちゃぁぁん」

トロンと瞳を蕩かせるユリカ。

「大好きです、ユリカさん」
「はぅぅぅぅ」

さらにトドメを刺した。

「アキト、お前の好きなペースで動いて良いし、好きなタイミングで出して良い。
私たちを思う存分貪れ」

「は、はい!」

もういつ暴発してもおかしくない。
そんな状況だったので喉の渇きを潤すかのように自身の欲を啜った。
闇雲に肉棒を突き入れた。

ニュルルン!

二人の性器の間に飲み込まれていく。

「くぅあああぁぁぁ!」
「んくぅぅぅぅ!」

二人の甘い声が漏れる。

ニュルン! ニュルン! ニュルン!

「ひっ……、うっ、……んっ……」
「あん! ……あん! ……あん!」

お互い抱きしめ合って快感に耐え、快感を享受する。

「ああっ! セレナイトさん! ユリカ!」

ニュルン! ニュルン! ニュルン!

アキトも下半身が蕩けていくような快感を感じ、吠える。

ニュルン! ニュルン! ニュルン!

「あぅ! んっ、……んっ、……ふぅぅ!」
「あん! んっ! んぅ! うっ! ……ちゃ、ん! ……セレナちゃん!」

ニュルン! ニュルン! ニュルン!

「ユリカさん! ユリカさん! んっ……」
「んちゅ、……あむ、……んん」
 
唇を交わらせ、舌で戯れる。
お互いの唾液を掬い取り、柔らかな舌の感触とともに味わう。

ニュルン! ニュルン! ニュルン!

「うわぁぁぁぁ」

さらにアキトの肉棒が二人の性器を蹂躙。

「んふっ、んぅぅ! んきゅう!」
「きゅふ! きゅふ! きゅふん!」

クリトリスを抉り取るように擦られて口内で啼く二人。

ニュルン! ニュルン! ニュルン!

「んぅ! んふぅぅぅ! んんんぅ!」
「んちゅふ! ふちゅ! ……んんんぅ!」

先にセレナが痙攣をはじめた。
力を失い全体重をユリカに預ける。
その心地良い重さと体温がユリカにトドメを刺す。
程なくユリカも痙攣。

ニュルン! ニュルン! ニュルン!

「うわぁぁぁ! セレナイトさん! ユリカぁぁ!」

だがアキトはあと一歩必要なようで野獣のように腰を動かす。

「ひぅぅぅ! やだ! だめぇ! もうイってるからぁぁ!」
「あっ……、強すぎるよぉ、アキトぉぉ!」

絶頂の最中にさらに高みに昇らされていく。

ニュルン! ニュルン! ニュルン!

「くぅぅ! 死ぬ! ……死んじゃう! ひぃぃぃぃぃ!」
「おかしくなる! ユリカ! 駄目になっちゃうぅぅぅ!」


ニュルン! ニュルン! ニュルン!

「あああああ! イキます! ……っく、ぁぁぁぁぁぁああああああ」

ドピュルル! ドピュルル! ドピュルル!

腰が融けて無くなるような感覚と共に、熱い精子が放出された。


「熱っ……、んっ、くぅぅぅぅぅ!」
「ひん! やぁぁぁぁぁ!」

マグマのような熱を持つ精液にクリトリスや性器を犯されて二人の快楽も頂点へ。
甘く鋭い声を上げて、わななくように啼いた。





………………。
…………。
……。





………………。
…………。
……。





………………。
…………。
……。





「はぁ、はぁ、はぁ……」
「はぁ、はぁ、はぁ……」
「はぁ、はぁ、はぁ……」


しばらく三人の息遣いしか聞こえず……、
セレナとユリカは抱き合ったまま、アキトはその後ろで一人、倒れている。


「はぁ、はぁ、はぁ……」
「はぁ、はぁ、はぁ……」
「はぁ、はぁ、はぁ……」


………………。
…………。
……。


「はぁ、はぁ……、 ユリカさん、どうでしたか? 気持ち良かったですか?」
「はぅぅ……、凄かったよぉ。凄い気持ち良かった。幸せだった」
「そうですか、それは良かったです」

心の底から安堵した。
これで自分の目的の半分以上は達成出来たことになる。


「それではこれからどうしますか?
さすがにこれ以上は明日にも響きますから、今日はこのぐらいにして汗を洗い落としますか?」

「うん、そうだね。セレナちゃんも一緒に入ってくれる?」
「はい、ユリカさんが宜しければ是非」
「やったぁ! じゃあ洗いっこしようね!?」
「はいっ」

「あ、あの……、オレは」

一人蚊帳の外のアキトが寂しそうに言った。

「アキトも一緒に入る? もうこういうことしたし恋人なんだから良いんだよね?」

「え、ああ……、それは、えっと」

恐る恐るセレナイトを見る。

「私は構わないぞ」
「あ、ありがとうございますっ」
「やったね! これで三人仲良くお風呂だね!」

表情を綻ばせて言った。

「それでは行きましょうかユリカさん」
「うん!」

セレナイトが起き上がろうと上体を……。
しかしそれをユリカが止めた。

「え、あ、あの……?」

「えへへ……、セレナちゃん、ユリカのために色々ありがとうね。
本当だったらこういう関係、あんまり良くないのかもしれないけど、
ユリカ、いま凄く良かったなって思ってるの。
セレナちゃんとアキト、二人と恋人になれて本当に嬉しいなって」


「ユリカ……、さん」


「……だからこれからも宜しくね! セレナちゃん!」


はにかみながらそう言って、ユリカはセレナに熱いキスをした。
























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